物理読み物11 税率50% S-2 No208 2010年5月20日(木)
容器に入った水を用意します. これを別の, 同じ型の容器へ連通管でつないで, 水を半分ずつにします. 始めの水と後の水とでは, 後の方がポテンシャル・エネルギーは半分になっています.
分けた水の一つは量が半分で, 高さが半分,それが2つになので,
ポテンシャル・エネルギーは半分です. あとの半分のエネルギーは,
移動するときに運動エネルギーになり, やがて,
熱(内部)エネルギーになってしまいました. 二分された水は,
厳密にいえば, 少し温度が高くなっています.
コンデンサーを充電しておきます.(例えば, 4μFのコンデンサーを1000Vで充電する)
これを別の, 同じ容量のもう一つのコンデンサーにつなぎます.
バシィッという音をたてて, 紫色の光をだして,
電荷が半分ずつに分けられます. 二つに分けられた方のエネルギーは, 始のそれの半分になっています. 一つのコンデンサーの電荷は半分, 電圧は半分, それが二つなので,
ポテンシャル・エネルギーは元の半分になります. あとの半分のエネルギーは, 音, 光,
電波のエネルギーとなって発散してしまいました.
力学台車を摩擦のない平面の上で走らせ, これを静止している別の同じ力学台車に真っすぐにぶつけて連結させます.
連結後の力学台車の運動エネルギーは初めの運動エネルギーの半分になっています.
この衝突では, 運動する力学台車は二台になり,
その速さは半分になります. 運動エネルギーは質量と速さの二乗に比例するので, 衝突後の運動エネルギーは初めのそれの半分になります.
後の半分は熱エネルギーと音のエネルギーになってしまいました.
吊るしてあるつるまきばねにおもりを下げると, 単振動が始まり, やがて,
静止します. 初めのおもりのポテンシャル・エネルギーと,
終わりのつるまきばねのポテンシャル・エネルギーでは, 後者は前者の半分です. 静止したおもりの位置を重力ポテンシャルの基準面とし,
つるまきばねの伸びをxとすると, 前者はmgx, 後者は (1/2)×mgx です. 半分は熱エネルギーとして発散しました.
水素原子がイオン化して, 電子は水素イオンから無限大の距離に静止している場合を考えます.
この電子は水素イオンに引かれ, 両者が結合して再び水素原子ができたとします. わかりやすくするために,
軌道における電子のポテンシャル・エネルギーを0とし,
無限大の距離にあったときのポテンシャル・エネルギーを1とすると,
電子の軌道運動エネルギーは1/2となり,
その差は, 電子が軌道に落ちるとき,
光となって放出されます.
人工衛星が地球の表面すれすれに円軌道を描いて回るとき, そこでのポテンシャル・エネルギーを0とし, 人工衛星が地球を脱出したときのポテンシャル・エネルギーを1とすると, 軌道運動エネルギーは1/2となります. ちなみに,
このような軌道衛星になるための速度を第一宇宙速度,
地球脱出衛星になるための速度を第二宇宙速度といいます.
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