YPC(その30) E-142 No338 2012年1月5日(木)
YPC(30回) 神奈川学園
2011年2月13日(日)
静電誘導
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誘電体の円盤をティッシュで摩擦し, 絶縁体の取手のつた金属円盤を,
これに載せておいてアースする. その後,
取手で金属円盤を持ち上げると, 帯電している.
この装置を電気盆という. 誘電体を盆と,
円盤を皿と呼ぶことにする.
A
皿は盆の静電誘導で荷電させるので, 盆とは逆の符号に荷電する.
盆が塩ビでは, 摩擦によって負に荷電するので,
皿は正に荷電し, 盆がアクリルでは,
摩擦によって正で荷電するので, 皿は負に荷電する.
本実験では, 方形の木板の表裏に,
塩ビとアクリルを貼って盆とした.
B 金属の皿の代りに, 半絶縁体が使える. 例えば、
植物:コルク,蜜柑の皮,木の葉,牛乳の蓋,竹駕籠,リンゴ,紙,餅,鉛筆
動物:するめ,牛皮,蜂の巣,
鉱物:ガラス,石,雲母,那智白石,炭,陶器,鉢,10円硬貨,フェライト,乾燥剤,
食品:味噌,汁粉,餅,干肉,スルメ,干物,
日用品:鉛筆,CD,消しゴム,クレヨン,カーボンペーパー,被覆導線,
高分子:酸化ケイ素(石英),セルロース,アミノ酸,
要するに, 絶縁体(プラスチックス)以外のものなら何でもよい.
これらのものを皿とし,プラスチックの洗濯鋏,
鉛筆サック, 食事用フォーク,ストローなどの絶縁体を取手として使用した.
電気抵抗率 (5)は10^5[Ωm]の意味で,
皿としては 金属(-6〜-4)/炭素(-3)/シリコン(5)/木材(11)/ガラス(9〜12)/
盆としては 塩ビ(14)/ポリエチレン(16)/パラフィン(14〜17)/
C
電荷を判定する. 金属片に絶縁体の取手をつけたものを電気匙(以後,匙)と呼ぶ. 2段アンプの−電極をアースし,
+電極に匙でくみ出した電荷を近づけて, アンプが点灯したら,
その電荷はプラス, 電荷を遠ざけて点灯したら,
その電荷は−である.
D
ストローをティッシュやポリ塩化ビニリデンで摩擦してみよう.
E
アルミ箔に缶を載せて荷電し, その電荷を匙でくみ出して電荷を判定する.
アルミホイルで折り紙風船を作り, 風船の中から電荷をくみ出してみよう.
F
水の帯電. 誘電体を帯電させて立て掛けておく.
その近くでストローから水を滴下させ, 2段アンプの電極に載せた金属缶の中に受ける.
途中, 水滴に金属の針を接触させてアースさせると… 帯電させた金属缶(コーヒー缶)の中の水を, ストローでくみ出し電荷を検定する.
G
紙コップ(皿?), プラスチック・コップ(盆?)の組み合わせで電気盆を作る.
いろいろなもので電気盆をつくる.
H
電場と重力場を比較してみよう.
電場 E 地場(重力場千葉?)
g
電気力 qE 重力
mg
仕事量(電気En)
qEh=qV
仕事量(重力En) mgh=mU
電位(電圧)
Eh=V
地位?(重圧) gh=U
電気ポテンシャル V(ボルト) 重力ポテンシャル U(キャベンディッシュと呼んだらどうか?)
高さ V=0(アース) 高さ U=0(海抜?)
静電誘導 石井さんの発表
長方形の木板の両面に塩ビとアクリルを貼り付け電気盆とする。乾いたティッシュでこすると、塩ビは負に、アクリルは正に帯電する。こうして帯電させた盆の上に、絶縁体の取っ手をつけた金属(皿)を重ねておき、金属に指を触れてアースすると、金属は逆符号に帯電する。ここまでは典型的な静電誘導の実験だ。電荷の正負は石井さ愛用の二段アンプで判定できる。
石井さんは金属の皿の代わりに、コルク、木の葉、皮のコースター、厚紙、乾し肉、するめ、岩石など、ありとあらゆるものを試してみた。プラスチック級の抵抗率をもつ絶縁体でなければたいていのものは電荷を運ぶ皿となりうる。
アルミホイルで折った折紙風船の穴から、導体球をストローの先につけた「電気匙」を差し入れ、風船の中から電荷をくみ出す。金属の内部は帯電していないことがわかる。もちろん外側は帯電している。
誘電体(発泡トレー)を帯電させてたてかけ、その近くでストローから水を滴下させ、二段アンプの電極につないだ金属缶で受ける。落下する途中の水滴に金属の針を触れてアースすると、水滴は静電誘導で帯電し、金属缶に電荷が蓄積する。ケルビン発電器の原理だ。
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