理科実験を楽しむ会
2段アンプ2 
2段アンプ 1
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 

夏休みの理科工作Part4 (その5)   M-118  No313    2011825()

 

 2段アンプ          石井 信也

 

  3段アンプを作りたいというリクエストがネットに入りました. 使い道にもよりますが, 2段アンプで用が足りることが多いので, こちらをお薦めします.

  2段アンプでは, バイアス用の電源と電圧調整用の可変抵抗器及び, 切り替えスイッチが不要です. 絶縁容器(トレイ)にテスト入力の電極を固定してしまえば, クリップも要らないので, 構造は著しく簡単になります. (写真参照)

 

  2SC-18152段に繋ぎます. つまり,一方のエミッタと他方のベースを繋ぎ,コレクター同士を繋ぎます.

  32本用乾電池ケースの負極に,Tr(トランジスタ)のエミッタ(E)を繋ぎます.ケースの正極にはLEDの足の長い方(), Trのコレクター(C)にLEDの足の短い方()を繋ぎます. プラスチックのトレイに, 両面接着テープでアンプを貼りつけ,トレイには2枚のアルミホイルを貼って電極とします. Trのベース(B)に繋いだ方が+極で, Trのエミッタとベースの結合点に繋いだ方が−極です.アルミ箔へははんだづけができないので, 接着剤つきアルミテープで貼りつけておきます.  

  Trが入手困難な場合には, 壊れた電気器具から 2SC…, または2SD…Trを取り出して使うことができます. この場合, ナンバー(…の部分)は気にしません. 以上, 配線図とアンプの写真を参考にして作ってみましょう.

  使い方は, HP3段アンプの項を参考にしますが, 念のために簡単な2, 3の実験を書いておきます.

 

(1) 静電気:ティッシュで擦ったポリプロピレンのストローを, アンプの−極に近づけるとLEDが点灯します. あるいは, +極に近づけておいて引き離すとLEDが点灯します. ストローは負に帯電しています. 

(2) 光電気:テスト用のLEDのプラスの足(長い方)をアンプの+極に, マイナスの足をアンプの−極に触れると, アンプのLEDが点灯します. (写真参考) この状態でテスト用LEDに黒い布を被せる(光を遮断する)と消えます. つまり, このLEDが光によって発電していることがわかります.

(3) 化学電池:右手に10円硬貨を, 左手に1円硬貨を掴んで, 硬貨をアンプの電極に触れてみましょう. LEDが点灯しなければ, 逆の電極に触れるます.銅・アルミニウム・人体のセットがボルタ電池になっているのです. 人体が溶液の役割を果たしています.

(4) 放射線の検知にも使えます. アンプの−極をアースし(コードを濡れたティッシュに繋ぎます), +極は絶縁用のトレイに立てた短い金属棒(アンテナ)に繋げばよいのです. カウンター(自作方法はこのHPに載せてあります)の電極に繋いではいけません. 放射線による放電の電波をアンプが捕らえるのでしょう.

  コツコツ鳴るラジオの音と、アンプのLEDの点滅が、同調しています.
 

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