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掲示板 | 石井信也 |
稲葉正さんへの手紙12 E-130 No268 2011年3月24日(木)
稲葉正様
09年12月1日 石井信也
No12
リーごまその後
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短い鉄釘にエナメル線を巻いた電磁石に, リードスイッチを重ね, その上で磁石ごまを回す<リードスイッチごま>(略称リーごま)についてはNo3に書きましたが,これはその後の実験です.
A
磁石ごまが電磁石から力を受けて回り続けるのなら, 鉄芯がない, 単なる円形のコイルではどうか, ということで, このタイプのものを作りました. これまでは, 釘に100回以上もエナメル線を巻いた電磁石を使っていましたが, このタイプのコイルでは10回で十分回りました. ただし, この程度の巻数では,
LEDの明るさは弱くて迫力がありません.
B
LEDの代わりにネオン球をつけたいと思って, EI型トランスのIの部分を取り去った「半トランス」を使ったら,ネオン球が点灯しました.
C
大型の磁石を回すには, トランスの鉄片を取り去ったコイルを使って, 左右NSの磁石をネイル・マグネットで吊して回します. この方式だと,80gの磁石でも回りました.
直列にした8本のLEDも点灯しました.
30本でも, かすかに点灯します.
D
次は磁石をステイターとし, 本体をローターにしてみようと思いました. リードスイッチを直列につないだエナメル線で, ローターをつくり, これをクリップモーター式の軸受けを使って,
磁石の上で回しました. OKです.
LEDは点灯しながら回ります.
E
こうなると, ステイターとローターの区別がつきません. そこで,
本体を発泡スチロールの「船」に乗せて水に浮かせ,これに,
スプーンでの上で回した磁石ごまを近づけました.本体は磁石ごまとは逆の向きに回りました.しかし,
水を使うことには, 些かの抵抗があります.
ガラス板の上の時計皿に乗せたステイターでも, その上の空間で磁石ごまを回すと, 「ローター」になります.
モーターを動力に使う場合には, モーターの据えつけには配慮が要るという意味が理解できます.
F
宇宙船の中で, 小型のプロペラをつけたマブチモーターを空間に置けば, 多分,両者は互いに逆回転で,異なった回転数で回るでしょう.
G
磁力線とリードスイッチの方向が一致している状態では, その上で, こまは回り続けるわけです. そこで,
磁力線発見器を作ってみました.
小型のプラスチック・スプーンの裏に, リードスイッチを貼りつけ, 電池を繋ぎました. この装置をクリップでコイルにつなぎます. コイルには, 並列になるようにLEDを配してあります.
磁力線を調べようとするコイルに, クリップをつなぎます.
スプーンの磁石ごまが回り続けるところでは, リードスイッチの方向, つまり, スプーンの方向に磁力線が走っていることになります.
H
リーごまは直流電源で回してきましたが, 数ボルトの交流電源でもOKです.
こまの回転は交流の周波数より遅いことは見て直ぐにわかります.リードスイッチをショートさせると,
50Hzの交流の同調ごまになります.
これで<稲葉正さんへの手紙>は終りました。