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掲示板 | 石井信也 |
稲葉正さんへの手紙9 E-127 No265 2011日3月17日(木)
稲葉正様 09年9月1日 石井信也
No9
同調ごま
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左右がNSの磁石ごまは,
交流の振動磁場に同調して回り続けます.
コイルには, 100円ショップで工作用に販売されている, 直径1mmのアルミ線を使いました.
電源はスライダックで数ボルトに降圧した交流を使いました.
これに2極のストロボスコープ(BMWのロゴマーク状)をつけて, 古い形の蛍光灯で照射すると,
模様が止まって見えて, 回転数が50回であることがわかります.
A
ローターを変えてみます.プラスチックのストローを2cm程度に切って,
その両端に小型のネオジム磁石(6個100円のもの)を填め込みます.
ストローの中央に穴をあけてまち針を刺して軸とし, 振動磁場で廻します. 磁極の配置を磁石ごまと同じにする(外側がN,S)と回転は50Hzです.
B
さて, ここで, 磁石の向きを逆に(外側がN,N)したらどうなるでしょう?
指の感覚では50Hzより遅いことが感じられます.
4極のストロボスコープが静止するので 1/4[T]÷1/100[s]=25[Hz] であることがわかります.
C
ローターの磁極の配置がわかるように Aの状態を[NS], Bを[NN]と書くことにしました. [NNNN]
は回すのが難しいのですが, 大きめのコイルを使って,
スライダックの電圧を12Vにすると回すことができました.
8極のストロボスコープが止まるので, 12.5Hzであることがわかります.
D
こうなるといろいろなローターを作って回してみたくなります.
例えば[NNNS], [NNSS], [NSNS],… などなどです.
6極のローター [NSNSNS] は1/6[T]÷1/100[s]=16.7[Hz] で, 6極のストロボスコープが止まりました.
それにしても, 自然の行為(振る舞い)には感心させられます. "やるとはいうがやるもんだ" という感じです.
E
なお, 普通の家庭にはスライダックなどありませんので,
テーブルタップのコードの片方を切断して, ここにみのむしクリップをつけ, これでコイルを咥えて回路を作り,
この交流の場で実験することができます.ソケットには白熱電灯をつけて電流を加減します.
例えば, 7Wの電灯をつけて,
100Tのコイルをつければ, 7[AT]
の電流を使うことができるというものです.
18Tのコイルを700Wのポット(6Aの電流が流れた)で使ってみました.
この 100AT では,
パワーが強く快適でしたが, 途中でこまが止まってしまいました.
ポットが加熱から保温に切り替えられたのでした. やってみると,
いろいろなことがあるものです.