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理科実験を楽しむ会
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稲葉正さんへの手紙6    E-124   No262   201133日(木)

 

  稲葉正様           200963日     石井信也

 

  No6  3段アンプ(その1)

@ トランジスターを使うと電流を100倍に増幅できます.

  これを2段に電流増幅する回路があって, ダーリントン結合と呼ばれます. とすると, これを3段に増幅すると, 電流を100×100×100, 100万倍に増幅できる筈です. いわば, ダブル・ダーリントン(トリプル・ダーリントン?)という訳です.

A そこで, 2SC-18153段につないでみました. (*1)

  起電力が弱い発電装置でも, その効果が見えるように, バイアス電圧をかけることにしました. 発電装置の電圧の向きにも対応できるように切り替えスイッチを設けました. 入力端子のプラス側には赤の, マイナス側には黒のミノムシクリップを使ってあります. 

B 使い方の一例として, 起電装置をみつける方法を示しておきます.

 (1) 両方の電源をonにします.

 (2) 入力端子のクリップを繋ぎ(ショートさせる), バイアス電圧のボリュームを加減して, LEDを点灯寸前の状態に調整したら, 入力端子を離しておきます.

 (3) ここに発電の装置を繋ぎます. 例えば, 10円硬貨と1円硬貨を化学電池として使ってみます. 電流は増幅されるので, 電解液に気を使うことはありません. つまり, 10円硬貨を赤のクリップで, 1円硬貨を黒のクリップで挟み, この硬貨を指でつまむと, LEDが点灯します(写真1). これで, 銅とアルミニウムが人体という「溶液」に浸されて電池になったことがわかります.

  逆につないでは発電しないことを切り替え装置で確かめます. ここでNNatural, RReversです.

  発泡スチロールの台に乗った二人が, それぞれの硬貨をつまみ, 手をつなぐとLEDが点(), 離すと消えます. (*2) 

  (針金), 亜鉛(乾電池の容器), (釣具のおもり)など, 入手できる金属について, イオン化傾向の順に並べてみましょう. (*3)

  炭素についても実験し, 炭素が「金属の」イオン化傾向の配列のどこに位置するかを確かめます. 炭素同士であっても, 微妙に酸化還元電位が異なります. 鉛筆の芯(シャープペンシルの芯), 乾電池の負電極, 備長炭,ファックス原紙の裏紙, 墨汁で書いた字(乾いてから), . 

 

(*1) 4段にすると「雑音」を拾ってしまうので, 3段がよいようです.

  4段の形に作って, 3, 4段の両方に使っています(写真2).

(*2) 指で硬貨をもつとき, ミノムシのクリップに触れてはいけません. 銅とアルミの電池を実験しているのですから.

  他の硬貨の組み合わせについても調べます.

(*3) 貴金属は歯科医に相談すると入手できます. ただし, 多くの場合は合金です.
 
注:実験の<3段アンプ>,<3段アンプPart2>を参考に。