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理科実験を楽しむ会
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稲葉正さんへの手紙3  E-121  No259  2011224日(木)

                       

  稲葉正様         200932日       石井信也

 

  No3 リードスイッチごま

  磁石が近づくとonになるスイッチがあります. 逆に、近づくとoffになるものもあります. リードスイッチといい, 回路に使われます. これを使った回路の遊びを<科学の祭典>で見たので,サークルで作って楽しみました.

 軸の回りに回転できるようにした円筒の側面の対称の位置に, 2個の小さい磁石が貼りつけてあります.これがローターです

  ローターの外側には, 乾電池1個・電磁石・リードスイッチを直列にした回路が配置されています. 電磁石は鉄芯に0.2mmφのエナメル線を300400回ほど巻いたものです. LEDが電磁石に並列で, 電源には逆位相に繋がれています.

  ローターが回転して, 磁石がリードスイッチの位置にくると, 回路が閉じて電磁石がはたらき, 磁石に電磁石の力が作用してローターが回り続けるのです. LEDの点滅で(コイルの自己誘導で灯くので乾電池1個でよい)回路が機能しているかがわかります. 回転が安定するように, リードスイッチと電磁石の位置を, 試行錯誤でみつけるのがこの実験の面白さです.       

  電磁石から磁石に加える力を, 同じタイミングで, 同じ向きにはたらかせるには,ローターの磁極の外側(内側でもよい)が共にN(N,N), 共にS(S,S)でなくてはなりません. 磁極の向きが逆(N,S)では, 一方の磁石が引かれれば, 他方の磁石は押されることになるので, ローターは回らない筈です. 実際に, うまく回せません.  左右が磁極(N,S)の磁石ごまを回せれば面白いのだが…, と私は思いました.

"回らないにきまっている”とサークルのみんながいうのですが, "それでもやってみよう”と言ってやってみると回ったのです! しかも, こまの慣性モメントが小さいので, かなりの回転速度になりました.リードスイッチごまの「誕生」です.

 リードスイッチには向きがないので, どんなメカで力が<建設的>にはたらくのかはわかりませんが, "わからないのは遊びたりないから"ということでしょう.     それはともかく, ステイターの本体を水に浮かせ, プラスチックのスプーンの上でローターのこまを回すと,本体は, こまとは逆向きに回転しました. 回転についても, 作用反作用の関係が見えるというものです.

 いろいろな磁石を<さるかん>(魚釣りのねじれ止め)をつけた糸で吊って回してみました.

  また, 磁石に固定軸を設けるとモーターにもなります. リードスイッチごまはリードスイッチ・モータに「変身」したのです.
 
 注:実験の<リードスイッチごま>、<リーごまPart2>、<リーごまPart3>、YPC1、YPC18、YPC21を参考に。