YPC(28回)  E-116   No237    物理ミニ実験(その2) 2010年11月11日(木)
 
 物理ミニ実験(その2) 横浜サイエンス・フロンティア高校   2010年9月23日
 
 LEDをつけよう
@  LEDでLEDを点灯
 黒いフィルムケースにLEDを封入し,ケースの底から導線を引き出しておく.これをチェッカーとする. 
 高輝度のLEDを3個直列にしたものを,4組並列にして,直射日光に当てると,チェッカーのLEDが弱いが,赤く点灯した.
 LEDの数を徐々に減らしていって,1個にしても,チェッカーのLEDは点灯した.
 LEDには2V弱の電圧をかけると点灯するが,逆に光を当てると発電する.
(夏の)太陽光の場合,この電圧を測定すると1個で1.62V,3個直列で4組並列にしたもんは4.8Vであった.
 LEDは散逸しないので,「可逆的」なのだ。
A  電磁誘導で
 プラスチックのストローに巻いた0.2mmφ,1000T(74Ω)のコイルにLEDをつないだ.これにネオジム磁石(6個100円のもの)を2個入れ,指で両側を塞いで激しく往復運動させると,LEDが点灯する.
 エナメル線の太さを0.1mmΦにして,4000Tにすると,オーム抵抗はほぼ400Ωで,こちらの方が,LEDは点灯しやすい.銅線の質量はほぼ等しいと見なせるのだが….
 磁極の向きによって,LEDの明るさが異なる!
B  相互誘導で
 使い捨てカメラのトランスを使った.高圧側に,向きを替えて並列にした赤と白のLEDを,低圧側に乾電池1個,切り替えスイッチ,赤のLEDをつないだ.スイッチを切ったり入れたりすると,高圧側のLEDが交互に点灯する.低圧側につないだLEDは,切り替えスイッチの前後によって,点灯の仕方が異なるようだが…
C  リードスイッチで脈流に
 スイッチの切り替えに磁石ごまとリードスイッチを使用する.
 電磁石に直列にリードスイッチを繋いで,これで回路を開閉する.電磁石の磁力で,磁石ごまを連続回転させる装置がリードスイッチごまである.
 リードスイッチが開閉すれば,誘導電圧でLEDが点灯するので,磁石ごまの代わりに,磁石振り子や磁石ガリガリとんぼを作動させてみた.ところが,ガリガリとんぼの磁石を近づけるだけでLEDは点灯するのだ?!
 最近のLEDは乾電池1個でも点灯するので,電圧を変えてチェックすると,
1.39×  1.41×  1.45△  1.51○  1.65◎    単3乾電池は約1.6Vなので,リードスイッチがオンになれば,LEDが点灯しても不思議はないのだが…
 そこで,使い古した乾電池を使用してみると,この装置は1.22Vでも1.16Vでも作動した.原因は乾電池ではないのだ. 
D それでは…
 磁石をリードスイッチの端に近づけるだけでLEDは点灯するのだ.点滅しているようなので,LEDに並列にスピーカーをつなぐと高音で鳴った.電磁石かから離すと作動しない.
 電磁石とリードスイッチと磁石で,スタティックな(?)発振回路ができるようだ.
理科実験を楽しむ会

LEDの点灯 石井さんの発表
 石井さんのミニ実験シリーズ(その2)「LEDをつけよう」から、数点紹介する。高輝度LEDを3個並列にしたものを4組並列にして合計12個のアレイを作る(写真左)。一方、黒いフィルムケースにLEDを仕込みふたの穴から覗いてチェッカーとする(写真右)。前述のアレイに直射日光を当て、チェッカーにつなぐと赤く点灯した。直射日光を当てたときの発電電圧は1個あたり1.62V、アレイ全体で4.8Vだった。さらに、発電側のLEDの数を減らしていくと、1個にしても何とか点灯が確認できるという。LEDは散逸が少ないので「可逆的」なのだ。


 プラスチックのストローに巻いた0.2mmφ1000回巻き(74Ω)のコイルにLEDをつなぐ。ストローの中にネオジム磁石(6個100円)を2個入れて激しく振るとLEDが点灯する。さらに、エナメル線を0.1mmφにして4000回巻き(400Ω)にするともっと明るくLEDが点灯する(写真)。

 写真左はおなじみのリードスイッチを利用した磁石ごま。電磁石に直列に入れたリードスイッチがコマの回転に合わせて開閉するので、誘導起電力が発生してLEDが点滅する。ところが、石井さんはこの実験の最中に、回転する磁石ではなくネオジム磁石を指先でつまんでリードスイッチの近くにかざすだけでもLEDがともることを発見した。LEDに並列にスピーカーをつないでみると「ピー」と高音で鳴る。回路が発振しているのだ。どんな機構で発振しているのかはまだ解明されていない。

もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 

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