リーごまPart3 その6 E-105
No180 2009年12月10日(木)
1
円筒形の小型ネオジム磁石は, 釘の頭(金づちで打つ側)に横向きにつけられます. こうすれば,
ローターになります.
磁石をつけるのに両面テープを使えば安定しますが, テープなど使わずに, 直につけようというのは, 実験者としての心意気です.
この釘の先(尖った方)を別の磁石(吊り磁石)につけて吊るすのですが,釘が短いと, 両方の磁石が及ぼしあう磁力が邪魔をするので,
試行錯誤で適当な長さの釘を選びます.
釘の頭に十字の溝(ドライバー用)がついている<木用ネジ>は使い易いようです. 長さも55mm, 65mm, 75mmなど色々あって, 磁石の強さによって使い分けられます.
2
もう少し, 合理的につけるには, 待針の薄い花びら型の飾りの部分を, 2個のネオジム磁石で挟んでつければよいのです.
この状態で, 針の先を他の磁石につけて吊るします. ただし, 針先は細いので,
釘の場合のように大きい磁石は吊しにくいようです.
蛇足
1
回転体の慣性モメントは,
回転半径の2乗と質量の積に比例するので, 軽くて細いローターは,慣性モメントが小さくて回転し易いのです. ローターは「痩せている」のがよいのです.
2
ちなみに, 回転体の慣性モメントをあげてみます. 質量をM,回転半径をaとすると,
以下のようになります。
物体 軸 慣性モメント
一様な直線棒 中心 1/3
Ma^2
円輪 中心 Ma^2
円板 中心 1/2
Ma^2
円柱
円柱軸
1/2 Ma^2
球体 直径 2/5
Ma^2
円錐体 軸
3/10Ma^2
3
この装置では, 回転が速くなると,
磁石が「遠心力」で飛んでしまうので要注意です.
丁寧に云うと,向心力の大きさが,磁力では賄いきれなくなってしまうということです.
針にカラーのビーズ(Bead)やスパンコール(Spangle)を刺しておくと, 回転がはっきり見えるし,
回転速度をコントロールする役目もします.
理科実験についてのお問い合わせ等はメール・掲示板にてお願いいたします。 | |
---|---|
掲示板 | 石井信也 |
待針のローター | 釘のローター |