理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 
 高(電)圧をつくる その3   E-93  No168           09年9月17日(木)
 
0 ストロー発電棒(摩擦電気)
1 太いストローとこれに入るやや細いストローを用意し、太いストローを長さ8cmに切ります。この両側に、片方にはチッシュを、他方にはアルミホイルを巻いて、セロテープで止め、端をストローの先に余らせておきます。
 細いストローを太いストローの中で前後に移動させると、チッシュとプラスチックの摩擦で、前者にはプラスの電荷が、後者にはマイナスの電荷が分離し、プラスチックの電荷はアルミホイルに触れて、そちらへ移動します。かくして、チッシュとアルミホイルはキャパシタを構成して、前者が+、後者が−に充電されます。両者が接触しないように注意しながら、キャパシタには電気振子用の放電電極を立てます。
  太いストローの方を左手で持って、細いストローを右手で前後に移動させると、電気振子が振れます。
 この場合、チッシュの部分を持ってもかまいません。こちらはプラス側ですが、アースになるだけですから。
2 細いストローに、10cmの長さにチッシュを巻いて、全体を太いストローの中に押し入れます。 チッシュの先端を、太いストローの先端の1cm手前に来るようにして、チッシュの後端を折り返して、太いストローに貼りつけます。あとは、1と同じです。この形式だと、チッシュとストローの接触距離が長くなるので、効率的だという訳です。  
3  放電電極の作り方の一例をあげておきます。
 電極は金属である方がよいので、チッシュの電極には、その半分ほどにアルミホイルを被せておきます。
 ゼムクリップの中側を直角になるように伸ばして、アルミホイルの中側に立て、2本の電極が幅1cm程度になるように、接着剤つきのアルミホイルで巻いてホールドします。
4  塩ビのシート(プラスチックのトレイ)にアルミ箔とチッシュ(ここではペーパータオル)を並べて貼りつけました。両者をネイルファン(マニキュア乾燥用小形扇風器 100円ショップ)の翅で擦ると発電します。容量を増やすように、33pF のキャパシタをつけてあります。写真で構造を確かめてください。
 
蛇足
1  電気振子の玉は、発泡スチロールの球に墨汁が塗ってあります。糸は水糸をほどいたものの1本を、瞬間接着剤で貼ったものです。
2  電極の間隔は少なくても1cmの距離は欲しいものです。近いと放電してしまう恐れがあります。 電極の接着にセロテープを使用するときには、両電極を止めたセロテープが重ならないように注意します。セロテープでも、高電圧では導体としてはたらくことがあります。
 接着剤つきのアルミホイルは(接着剤がついていても)伝導性を妨げません。
3  電気振子が振れないときには、ヘアドライアーで装置全体を乾燥させます。
4  大量の電気量を必要とするときには、太め(外径18,26mm)の塩ビ棒で作ります。
5 ガッチャンのプラ球(半分を使う)の中に磁石を渡してローターとしました。これを回転磁界で回して、球の両側にチッシュとアルミ箔をブラシ状に接触させた発電器を作りました。発電量が不十分なのか、電荷がリークしてしまうのか、 十分には発電しませんでした。 3段アンプのLEDは点灯しますが、電気振子は動きませんでした。
 写真を撮るためにホールドできなくて、アンプへのブラッシュは球から離れています。
6 以上は3種とも、プラスチックとセルロースの摩擦電気によるものです。

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石井信也
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