夏休みの理科工作Part2 (その4) E-90 No165
09年8月27日(木)
0 フィードバックごま(トランジスター1石ごま)
1 これまで、増幅器としては、2SC1815の3段アンプを使いましたが、今回は低周波用のトランジスター2SD型のものを1個を使ってみました。
このタイプのトランジスタは、使い捨てカメラから取り出すことができ、ここで使ったものは
D1960 です。
2 入力は、磁石ごまによる誘導起電力です。このコイルは0.2mmφのエナメル線を直径10cmの円形に、1000回巻いたものを使いました。
出力回路には1mmφのアルミ線(100円ショップ)を、直径10cmに45回巻いたコイルを使いました。
小形のスピーカーとLEDを直列につないだものを、このコイルに並列につなぎました(1石Trごま2)。3者を並列にしてもOKです(1石Trごま1)。
入力側のコイルをサーチコイル、出力側のコイルをドライブコイルと呼ぶことにします。
3
ベース回路には、単一乾電池と10kΩの可変抵抗で電圧を調整してバイアス電圧としました。
回路図を示してあります。
4 二つのコイルを隣り合わせて並べます。電源をon
にして、LEDが弱く点灯し、スピーカーが僅かに鳴るようにボルユームを加減してから、この両者が作動しないように、ボリュームを少しゆるめたら準備完了です。
5 プラスプーンの上で磁石ごまを軽く回して、コイルの中に入れると、こまは加速し、LEDは明るさを増し、スピーカーの音は大きく、高くなります。
蛇足
1 装置が発振しないときには、どちらかのコイルを裏返します。コードのつなぎ方を逆にしても同じです。
こまの回転が速くなると不安定になるので、軸を調整して高速に耐えるようにします。
2 別のローターを考えてみましょう。長さ3〜4cmに切ったプラスチックストローの両端に小形のネオジム磁石を埋め込み、ストローの中央にまち針を刺して軸として回してみましょう。回転の軸をどちらに向けたらよいでしょう。
同じ磁石(ネオジム磁石3〜4個)の中央に両面接着テープで釘の平らな部分を貼りつけ、釘の他端(尖っている方)を別のフェライト磁石(磁力が強くないものがよい)につけて、回せるように設定します。これをコイルの近くで回してみましょう。
3 この装置では、磁石ごまの回転でサーチコイルに起きた電流が増幅されて、ドライブコイルに流れ、両コイルによるトランスの作用で、再びサーチコイルに戻ってくる、というポジティブなフィードバックの繰り返しで、こまが加速し周波数が増していくのだろうと思います。この点、ご意見ください。
4 どちらかのコイルを裏向きにすると、回路が逆にはたらいてこまの加速はたちまちにして終息します。
両方のコイルの距離による加速の変化も明瞭です。
5 トランジスターは裏返しについています。電極は左から、ベース、コレクタ、エミッタ、です。 黒のコードはサーチコイルへ、赤のコードはドライブコイルへつながります。
6 バイアス電圧用の電池にはスイッチがついていません。この電池は弱くてよいので、使い捨てに近いものを使っています。電源は入りっぱなしでも影響はありません。