電子メロディーを鳴らす 石井さんの発表
 電子メロディーICを直流検電器として用いる数々の実験。写真左はネオジム磁石のブンブンゴマとコイル(250回巻き)による発電実験。LEDで整流し、数千μFのコンデンサーで蓄電・平滑する。コマを回している間はメロディーが鳴る。NPNまたはPNPトランジスタでダイオードの代用とすることもできる。P→Nとなる方向が順方向だ(写真右)。
 

 スライダックで数ボルトの交流を作り、その出力電極にコンデンサーの両足を一瞬触れる。交流電圧は1秒間に50回、正負の交替を繰り返しているが、足が離れた瞬間の電圧がコンデンサー記録される。その符号と電圧は確率的だ。電子メロディーを接続してみると約半数が鳴る。普通のスチロールコンデンサーと3段アンプでもこのことは確かめられる。

 両端を削った鉛筆をフィルムケースの食塩水に浸し、ネオジムブンブンゴマとコイルで発電し、ダイオード経由で充電してみる。ブンブンゴマを約百回転させるとメロディーを10回ぐらい演奏できる。鉛筆の芯を炭素電極とした燃料電池が形成されているのだろうか。 

YPC(その17)    A-1      No153      200964日(木)

 

 

 YPC(17)4月例会    慶応高校   09419()                                              

 

 電子メロディーを鳴らす

 

1 3乾電池1本で作動するタイマーの<メロディーIC>部分を,直流発電のチェッカーとして使ってみる.

  点検項目はコイル, 整流子, キャパシター, 磁石などである. 

2 0.4mmφのエナメル線を, 直径60mm250回巻いたコイルに, 整流子としてのLEDと,蓄電用のキャパシター(数千μF)ICをつなぐ. 

 コイルの上で, 磁石のブンブンごま を回すと, 交流が発生して整流され,キャパシターが充電されて,メロディーが鳴る.

 これの長所は発電している時にはLEDが点灯することである.  

  整流子として, 種々のダイオードを使って見よう. 

  トランジスタはダブルのダイオードなので, 3本の端子の適当な2本を, 向きを考慮して使えば整流できる. 矢印の先の端子をICのプラス電極につなぐ. ○印が使える(*1).

 

       EB     EC     BE     BC     CE     CB

2SAB    ×     ×             ×            

2SCD          ○       ×              ×       ×

 

3 スライダックで, 数ボルトの交流をキャパシターに一瞬触れると, メロディーが鳴る.  

  これは交流の各時点における, 電流×時間 の電気量がキャパシターに溜まるからであろう. 従って, 電荷が逆向きに充電されたときには, メロディーは鳴らない.

  このことを確認するために, 空のキャパシターをこの方法で充電して電極の正負を3段アンプで確かめてみた.

  ほぼ同じ割合で, 正・負が逆向きに充電されることが確認できた(*2).

4 1曲を「ゆるみなく」演奏しきるほどに充電できる容量の大きいキャパシターが欲しい. そこで…

  両端を削った鉛筆2本を炭素電極とした. フィルムケースの中央に厚紙の隔壁を設けて, その両側にこの鉛筆を立てる. 8分目ほど食塩水を入れて, これを<ブンブンごま発電機>で充電する.(*3)

  ブンブンごま は100回も回せば, 曲を10回以上も再生することができる(*4).

 

(*1) メイカー, 機種などにより異なることがある.

(*2) 40回トライして21:19であった.0ポイントで充電してみたい!

(*3) ケミコン!? +極で塩素の匂い,―極でアルカリ呈色反応.

(*4) 「帽子を被せ」てLDR(Light Dependent Resister)を作動させる.

 

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