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石井信也

YPC(その15) M-39    No151            09521日(木) 

                                                                                                                                                                      

 

  YPC 11月例会(15)  電通大  081123()

 

   ガリガリとんぼ  

    

(1) 1982, 科教協熊本大会の際, 郷土玩具<肥後とんぼ>を買ってきた。

  振動を回転に変える優れた玩具なので, 教材として勧めてきた。

(2) 竹の板に鋸歯状の凹凸をつけて, これを竹の棒でこすって振動させると, 先につけた竹の羽が回るというものである。

(3) この装置は, 割箸を使って簡単に作ることができる。 

  金やすりで割箸に, 5mmの間隔で20本ほどのみぞをつける。まち針に「羽」としてフラワービーズ(100)を刺して,割箸の先に巻いたセロテープに軽く挿す(割箸には針を挿さない 危ないし振動で抜けてしまう)  

(4) 遊び方 

1 割箸を水平に手で持って, 別の割箸でみぞをこすると羽が回る。 

  割箸にみぞをつけるかわりに,針金やたこ糸を巻いてもよい。

2 みぞをこするかわりに, バイブレイター(100)で割箸を振動させてもよい。

3 バイブレイターをたこで吊ると, 糸に定常波ができるので,糸の長さを変えて変化を楽しむ。 糸の途中に羽をつけてみよう。

4 長い棒の先の羽を回してみよう。

5 羽を右に回したり,左に回したりできるか。 2個の羽を同時に回してみよう。

擦る方の割箸にも羽をつけてみよう。

(5) 応用

1 ツルマキバネ状の溝があるもの(ボールペンなど)で回してみよう。

2 種々の物体(紙コップ,ゴム風船, 針金の輪など)に羽をつけてみよう。

3 細い棒の先端にLEDをつけて, バイブレイターで振動させてみよう。     

  この実験では "どうして回るの?"という質問が必ず出る。 その時には, レーザーをつけて振動させてみると…

4 1次元の振動, 2次元の振動, 3次元の振動をみつけてみよう。

5 フーコー振子の振動のモードはいくつあるのだろう?   

  千葉高の創立百周年記念フーコー振子:長さ17.37m, 質量約30kg(半径9.7cm),

周期8.364s, g9.802m/s240分で約6度回転.(千葉市 北緯3535) 

  支点をサイクロイド型にしてピアノ線のねじれを打ち消す。

6 フーコー振子

パリ天文台:     11m     5kg

パンテオン寺院: 67m    28kg

上野科学博物館: 19.5m  49.6kg

理科実験を楽しむ会

ガリガリトンボ 石井さんの発表
 肥後とんぼという郷土玩具がある。竹の板に鋸歯状の凹凸をつけて、これを竹の棒で擦って振動させると、先につけた羽が回るというというものだ。YPC例会でも何度か紹介されているおなじみのおもちゃだ。
 この装置は割り箸で簡単につくることができる。凹凸は金やすりで削って作ることもできるが、針金や凧糸を巻いても同じはたらきをする。羽はフラワービーズ(百円ショップ)をまち針に刺して、セロテープで箸の先につけるだけ。もう半分の割り箸でガリガリと擦ってみよう。フラワービーズがかわいらしく回る。
 

 写真下左はカッターナイフのストッパーのギザギザをそのまま利用したもの。下右は風船の空気でなるブーブー笛の振動で回転させている。とにかく振動すればよいのだ。

 振動はバイブレーターを触れることでもOK。百円ショップのマッサージャーや電動歯ブラシが使える。ちなみに、凧糸でバイブレーターを吊ると、定常波が見られる。  

 点灯した状態のレーザーポインターを棒の先に取りつけて、バイブレーターで振動させると、線分や円や楕円の模様が壁に写る。「どうして羽が回るの?」という質問にはこれを見せれば十分だろう。(下右の写真は石井さん提供)  

もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち