電子メロデー(その3) E-75
No148 09年4月30日(木)
1 1曲のメロディー全体を再生できる容量の大きさのキャパシターが欲しい…, そこで…
2 両端を削った鉛筆の芯を炭素電極とすることにして, これを2本用意しました.
フィルムケースの真ん中に厚紙の隔壁を設けて(電極が触れ合わないようにするためのもの),
その両側にこの電極を立て, 食塩水を半分ほど入れました.
これを磁石-ブンブンごまで充電します.
ブンブンごまは200回も回せばよいようです.
これでメロデーを鳴らすと何度(10曲以上)でも演奏させることができます. ただし, 1回毎にICに「帽子を被せ」て, LDR(Light Dependent
Resister, 光依存性抵抗)をはたらかせます.
3
この電池では電極の反応を下のように推定してみましたが, 如何でしょうか.
陽極 2Cl-+2(+) →Cl2
陰極 2Na++2(―)→2Na 2Na+2H2O→2NaOH+H2
蛇足
1
食塩水の充電電圧は次のようでした.
初め 100回の充電で 200回の充電で 5分放置すると メロディー5回で 更に5回で 更に5回で
1.17[V]
2.25[V] 2.28[V] 1.45[V] 1.10[V] 0.99[V] 0.89[V]
ただし, 音はだんだん弱くなります.
最後の段階で, 電極をショートさせると 0.54[V] に下がり, 更に, これを長時間放置したところ,
0.80[V] に復活しました.
このことから, これは, キャパシターというよりも電池であったと思われます.
2
炭素電極に鉛筆を使ったり, 電解液に食塩水を使ったり,
容器にフィルムケースを使ったりしたのは, どこででも手軽に入手できるからです. 実際に, 自宅で実験するとなると,
硫酸も炭素棒もビーカーも入手困難なのです.
3
このことには, メリットもありました. 陽極では塩素の匂いがして, 起きている反応がわかるからです. 陰極付近の溶液を指につけると, 幾分ぬるぬるして, 美肌温泉を彷彿させるのでした.
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石井信也 |