電束電流(その10) E-60 No133
09年1月15日(木)
1 装置の入力(電束を作るキャパシター)側には [222,2kV] のキャパシターを3本直列
(2.2nF×1/3=0.7nF,2kV×3=6kV) にした加圧器をつなぎました.そして, 出力側は検流計でショートさせました.
この状態で,加圧器に(片方ずつ)指を触れて電圧を変化させると,出力側に電流が流れることを確かめました.
2
1目盛 5μAのマイクロ・アンメーターを検流計として使っても針は振れませんでした.
横河のEG(Electronic
Galvanometer)は1目盛1nAですが,10目盛振れました.つまり,0.01μA流れたことになります.
3段アンプは 106 倍に電流増幅するので,LEDには10mA(0.01μA×106=0.01A)流れることになります.
3 ちなみに,EGを入力側のキャパシターの間につなぐと,
同じ操作(指タッチ)で針は同程度に振れました. EGの代わりに入れたネオン球やLEDも点灯しました.
4 さて, これまで種々実験してきましたが,できるだけ3段アンプに影響を与えない方法としては, 加圧してあるキャパシターの電極に,静かに手を近づけるのがよさそうです.
手を3段アンプに近づけてもLEDは点灯しません. つまり,この操作は3段アンプに影響を与えないのです.
ただし, あまり手を近づけると,手に軽い電撃が来て,放電による電流の増加がみられます.
放電が起きると, 導線がつながっていなくても3段アンプが作動する(電波発振?) ので,放電を起こさない(面倒なことを考えないでもよい)ように操作するのです.
蛇足
1
実験の結果については紛れはありません.ものは嘘をつかないからです.
しかし,実験そのものも,ちょっとした条件の相違で,まったく異なった結果を出来(シュッタイ)するものです.
実験の結果をどう把握するかということになると,その答えには複数の選択の余地があり,解釈には常に誤解を伴います. しかし,このような試行錯誤のトータルによって,私自身の理解も徐々に進んで,
実験は発展的に改良されたり, 追加されたりしてきていることは,これまでの記述の通りです.
ベターだと思われる選択を積み重ねつつ,限りなく事実に攻め寄るのが科学なのでしょう.一つの結論に到達するには, 否定の山積が必要なのです.
2
EGの一目盛は10μV(or1nA)となっています. 従って,EGの内部抵抗は
R=10μV/1nA=10・10-6V/1・10-9A=104Ω=10kΩ ということになりそうです.