電束電流(その7)
E-57 No130 08年12月25日(木)
1 前回の蛇足の4で述べたように, 3段アンプは感度がよいので, 電束電流とは別の理由でLEDが点灯することがあります.
2 そこで, 3段アンプを使わない方法を考えました.
単3乾電池1本にLEDをつなぎ(LEDは乾電池1本では点灯しません), ダイオード(IN4007)を介してコイルつなぎました.
繋ぎ方に向きがあるので注意して接続します.
Cに指を触れるとLEDが薄く点灯します.
3 ところが, この回路に電池がなくても, 同上の操作でLEDは点灯するのです.
4 そして更に, C2の片方(例えば+側)を回路から外してしまって, 指をその端子(+)に触れるとLEDが点灯するのです. 次で,
指を(―)に触れてから再び(+)に触れます.
その理由を明らかにするために, 次のような実験をしてみました.
5 まるく切った発泡スチロールをティッシュで擦って, 絶縁体の上に置き,
これをコイルのペーパーリングの中に置きました.
この上に手で持ったアルミ缶を近づけたり遠ざけたりすると, 3段アンプのLEDが点灯しました. 手のひらでもOKです.
これは電束電流用のコンデンサーC1の電極は片方でもよいということです.
C1の電極の上には, 充電電荷による電束線(電気力線)が立ち並んでいるので,
これにもう一方の電極(アース側)となるアルミ缶を近づけると,
電束が変化して電束電流が流れたことになるという訳です.
蛇足
1 このことから, C2の片方だけをC1つなぐということは, 上記5と同じ状態にすることなのです.
電極の片方に指を触れるというのも同じことです.
2 高圧装置の操作には注意を要するので, この高圧電源から, 容量の小さいコンデンサー(数十ピコ)に電荷を移して実験するとよいでしょう. 高圧でもこの容量なら電気ショックは受けません. しかし, 何回もLEDを発光させることいはできません.
電荷が中和して, 「なくなてしまう」からです.
3 3段アンプを使用する場合でも, C1を充電してからC2を外し,
C1の電極に指を触れるとLEDが点灯します.
C1の上の電極を, 下の電極から離したり,
近づけたりして実験します.
電極の片方に触れる | 電池あり |
電池なしでもOK | 片方の電極なしでもOK |
理科実験についてのお問い合わせ等はメール・掲示板にてお願いいたします。 | |
---|---|
shinya@aqua.dti2.ne.jp. 掲示板 |
石井信也 |