電束電流(その7)    E-57       No130              081225()

 

1 前回の蛇足の4で述べたように, 3段アンプは感度がよいので, 電束電流とは別の理由でLEDが点灯することがあります. 

2 そこで, 3段アンプを使わない方法を考えました.

  3乾電池1本にLEDをつなぎ(LEDは乾電池1本では点灯しません), ダイオード(IN4007)を介してコイルつなぎました. 繋ぎ方に向きがあるので注意して接続します.

  Cに指を触れるとLEDが薄く点灯します.

3 ところが, この回路に電池がなくても, 同上の操作でLEDは点灯するのです.

4 そして更に, C2の片方(例えば+側)を回路から外してしまって, 指をその端子()に触れるとLEDが点灯するのです. 次で, 指を()に触れてから再び()に触れます.

  その理由を明らかにするために, 次のような実験をしてみました.

5 まるく切った発泡スチロールをティッシュで擦って, 絶縁体の上に置き, これをコイルのペーパーリングの中に置きました. この上に手で持ったアルミ缶を近づけたり遠ざけたりすると, 3段アンプのLEDが点灯しました. 手のひらでもOKです.

  これは電束電流用のコンデンサーC1の電極は片方でもよいということです.

  C1の電極の上には, 充電電荷による電束線(電気力線)が立ち並んでいるので, これにもう一方の電極(アース側)となるアルミ缶を近づけると, 電束が変化して電束電流が流れたことになるという訳です.

 

蛇足

1 このことから, C2の片方だけをC1つなぐということは, 上記5と同じ状態にすることなのです. 電極の片方に指を触れるというのも同じことです.

2 高圧装置の操作には注意を要するので, この高圧電源から, 容量の小さいコンデンサー(数十ピコ)に電荷を移して実験するとよいでしょう. 高圧でもこの容量なら電気ショックは受けません. しかし, 何回もLEDを発光させることいはできません.

電荷が中和して, 「なくなてしまう」からです.

3 3段アンプを使用する場合でも, C1を充電してからC2を外し, C1の電極に指を触れるとLEDが点灯します. C1の上の電極を, 下の電極から離したり, 近づけたりして実験します.

4 上述の5, 発泡スチロールの代わりにアクリルを使うと, 回路の結線を逆にすることになります.

理科実験を楽しむ会
電極の片方に触れる 電池あり
電池なしでもOK 片方の電極なしでもOK
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 
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