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掲示板
石井信也


 討議の中で、石井さんから重要なコメントがあった。斜面上で抗力(摩擦力と垂直抗力に分解できる)を受けて静止している物体のつり合いを考えれば、抗力の作用線は重力の作用線と一致しなければならない。したがって、垂直抗力の作用点は接触面の中央ではなくなる。作図にあたってはそういう細かいところまで配慮したい。
 ところで、上の写真のように「なめらかな斜面」上で、糸で支えている物体の場合、垂直抗力の作用点はどうなるだろうか。糸の張力の作用線が重心を通ることをヒントに考えてみてほしい。摩擦で静止している場合とは微妙に異なるのである。

力のつりあい(その6)  M-39     No127            2008年12月4日(木)
 
1  図は手元にあった参考書を写真にしたものです。
  力の大きさに関してはつじつまが合っていますが、力がはたらく位置に関しては具合が悪いようです。
現在でも、たいがいの物理の本に、これと同じような図が描かれています。計算が合えばよいといった
感じです。
 私が教壇に立っていたころ(20年ほど前)の物理の本の全部に、このような図が描かれていました。
2 重力はよいのですが、摩擦力と垂直抗力はこのような位置には、はたらいていません。   
 第一、箱に触れている唯一の物体(斜面)から二つの力を受けるとみるのも、どうかと思われます。
 
蛇足
1 YPCの例会で、物体にはたらく力のつり合いが論じられたとき、このことを主張しました。
2 黒板に描いてあるように、斜面上に静止している物体には、図のような2力がはたらいています。
重力と斜面からの抗力です。計算上必要があるときには、抗力を垂直抗力と摩擦力に分解して
扱えばいのです。
 こうすれば、垂直抗力の着力点が参考書のそれとは異なった位置にあることがわかります。
 摩擦力も面に沿ってはたらいているのが見えてきます。
3 物理の記述が、実体や実態から離れていることが気になります。
 
 
 
 

理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち