電磁力 石井さんの発表
 中指から順に「電」「磁」「力」。フレミングの左手の法則でレールの上を転がる金属棒(左)。これはよくある演示だ。金属棒を鉛筆に代えることもできる。鉛筆の芯は導体だからだ(右)。
 

 金属棒をコイルに代え、クリップモーターと同じようにして直流で回転させることももちろんできる(左)。その永久磁石を電磁石に置きかえれば交流モーターとなる。スライダックをつないだだけで回転・前進する。

 コイルに小型のネオジム磁石をぶら下げれば、界磁を持ち歩くユーモラスな直流モーターができあがる(左)。その磁石部分を小型の電磁石に置きかえれば、上と同じ原理で交流モーターとなる(右)。これはなかなか感動もの。 

 ところが、驚いたことにこの界磁がなくともコイルはちゃんと回転し、転がるのである。「直線電流が作る磁界」のためだ。これには一同びっくり。電流の流れるところ磁界あり。その磁界がコイルを流れる電流に力を及ぼす。この実験のためには回転子が軽く回るように、精度よく作る必要がある。

YPC(その7) E-56  No115        08911日(木)

 

 

 

 

 YPC 1月例会(7)    慶応義塾高校    08119() 

 

 リニア・ロータ(電磁力)

 

(1) 原理

  電磁気力:F=ρE  + i×B

           電荷と電場 電流と磁場(電流,電磁石,磁石)

(2) 装置

  銅のパイプ2本を平行に並べてロータの線路とする. 従来のものはロータとしてTVアンテナのアルミ棒を転がした.

  今回のφ型ロータは,0.20.6mmのエナメル線を, 2乾電池に数回巻いて整流子(小林型:クリップモータのロータ)

    をつけたもの.

(3) 実験の内容

   (ロータ)          (注意)    (電流)  (磁場)

 0 アルミの鉛筆キャップなど                   直流   磁石

 1 φ型ロータ                                 直流      磁石

 2 φ型ロータ               切替スイッチ      直流      電磁石

 3 φ型ロータ                                 交流      電磁石

 4 φ型ロータ(磁石携帯)                       直流      磁石

 5'φ型ロータ(電磁石携帯)   乾電池では弱い    直流      電磁石

 5   同上                                    交流      電磁石

 6'φ型ロータ               乾電池では弱い    直流      線路の電流

 6    同上                                    交流      線路の電流

(4) 実験の注意事項

 0 鉄以外の金属棒, 炭素棒, 4Bの鉛筆, シャープ・ペンシルの芯も可.

     鉛筆キャップのロータは自動的に軌道修正する.

 1 アルミ製だと軽くてよい.

 2 切替スイッチをどちらにしても回転するので交流でも可, と知る.

 3 ロータの電流と, 場をつくる電磁石の電流が同相となる.

 4 スチールのハンガーに磁石をつけると便利.

 5'電磁石は釘に0.4mmのエナメル線を100回巻いた.

 5 コイルなので火花が出る.

 6'長さ5cmの真鍮棒(外径12mm, 内径8mm)2, 竹ひごを使ってつないで軸とした.

   ロータを丁寧に作るのがこつ. 線路の電流が場を作るので, 線路の幅を狭くするとよい.

 6 電流が大きいので長く使うことはできない.

 

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