電磁誘導 石井さんの発表
下左の写真は長さ4cmの釘を抱き合わせにし、0.1mmのエナメル線を数百回巻いて、小形のLEDで閉じたものだ。これを凧糸で縛ってブンブンごまにして、磁石の上で回すとLEDが点灯する。2個のLEDを、逆方向並列につなぐとよい。
下左はボビンに巻いたコイルを使ったもので原理は同じ。逆に右のように、磁石のブンブンごまを、
LEDをつけたコイルの近くで回してもLEDがつく。 ブンブンごまにするのは V=−dφ/dt
のdtを小さくするためだ。紙コップの中には電磁誘導の電力を蓄えるコンデンサーと電子メロディーがセットしてあり、磁石を回転させると鳴り出す。
1kg巻きの 0.1mm
のエナメル線の長さは14300mほどあって、38000回巻いてある。巻きはじめが引き出してあるので、そのままコイルとして使える。これに3段アンプを組み込んで、縦型ブンブンごまにすると、地磁気でLEDが点灯する(下左)。アルミパイプにネオジム磁石を落とすと渦電流でゆっくり落下するが、それを外からコイルで検出することもできる(下右)。落下はゆっくりだから、磁石が通過後にすばやくコイルを下に移動して再び検出することもできる。
写真下左は、ストローにコイルを巻き、LEDで閉じたもの。小型ネオジム磁石をその中に入れて振ると点灯する。このように、電磁誘導の実験では多数巻きのコイルでLEDをつけるのが一般だが、B×v=E をベクトル的に見せることも重要だ。横河のELECTRONIC GALVANOMETER を使うと、1本の導線でも、はっきり針が振れる。
YPC(その6) E-55 No110 08年9月4日(木)
YPC(第6回) 中村理科 07年12月15日(土)
電磁誘導
1 実験
(0) ブンブンごまを上手に回そう.
(1) 磁石ブンブンごまを回してコイルのLEDを灯ける.
種々のコイルを使う.
ネオジム磁石で, キャパシターに蓄電して電子メロディーを鳴らす.
(2) コイルブンブンごまを磁場で回してLEDを灯ける.
(3)
3段アンプを組み込んで地磁気で発電する.
(4) アルミパイプの中で磁石を落す. アルミパイプの外でコイルを落す.
(5) ストロー・コイルの中で磁石を往復させる.
(6) 半トランスの上で磁石ごまを回す.
(7)
1本の導線に電気を流す. B×v=E
2 理屈を少々
(1) 磁力線を切ると電場が見える.(ファラデー)
[電気力線を切ると磁場が見える]
磁束線が運動しているところには電束線が発生している.
磁場が動くと電場が生じる.
電磁誘導現象では導線が磁束線を横切っている. B=vE
E=Bv
(2) 回路を貫く磁力線(磁束線)の数に変化が起きると, その変化の速度に比例した起電力が回路内に発生する.
(ファラデーの法則
V∝dφ/dt)
誘導電流はその電流によって生じる磁場が磁束φの変化を妨げるような方向に流れる.(レンツの法則)
磁場で電流にはたらく力(フレミングの法則)
(3) 磁束線Bがそれ自身に垂直な方向にvで運動していると, 電場EがBにもvにも垂直な方向に発生している.
(rotE=―∂B/∂t
磁電誘導[青野])
電束線Eがそれ自身に垂直な方向にvで運動していると, 磁場BがEにもvにも垂直な方向に発生している.
(rotH= ∂D/∂t
電磁誘導)
(rotH=i アンペールの法則[電磁石の法則])
電気力線と電束線, 磁力線と磁束線は適宜入れ替えて使う.
EとD, HとB,
は適宜入れ替えて読む.
B→E(H→D)の関係は,
E→B(D→H)の関係として入れ替えて考える.
2πrH=i=qv 2πrE=j(磁流)=mv divB=m
自己誘導, 相互誘導, 変圧器では,
EBE(E→E), BEB(B→B)も考えるとよい.
(4) 分子・原子には電子があるので, すべての物質には原則的に反磁性である.
(5)
dφ/dt∝V
dφ/dt∝Edr dφ・dr/dt=dφ・v∝dE φv∝E
dB/dt∝ rotE dB/dt∝dE/dr dB・dr/dt=dB・v∝dE
Bv∝E
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