力のつり合い(その5) M-34 No100 08年5月29日(木)
(1) 物理で扱う物質は剛体といって、力を加えても変形しないものです。
これに対して、人間の身体は弾性体で、部分的に変形するだけでなく、全体の形も変ってしまいます。
いわば、軟体です。
(2) 直立しているときの、身体の重心は臍下の<丹田>というあたりにあるようです。柔道で”丹田に力を込めて”
という言葉を聞いたことがあります。
(3) この位置を確かめてみました。両手は体側につけておきます。
二つ割りにした太い竹の上にスノーボードを乗せて、バランスをとります。この位置を変えてはいけません。
人がこの上で横になって水平を保つようにします。竹の位置が人体の重心の位置です。各自、自分の重心の位置
を確めておきます。
(4) 次は椅子から立ち上がる実験です。
椅子に座って、足を軽くうかせておきます。 この状態で身体にはたらいている力は、重力と椅子からの抗力で、
この2力はつり合っています。 両足を床に触れても、この状態では立ち上がることは困難でしょう。
(5) 両手にそれぞれダンベルを持って腕を伸ばしました。 身体を少し前に屈めると、足に床からの抗力を受け、
尻から椅子の抗力jをなくすことができます。 要するに、 両足で「しゃがむ」でいる状態です。
蛇足
[1] 重心の実験にトライされたのは福田利明さんです。両手を頭の方へ伸ばすと、ボ−ドは頭の方に傾きます。
スノーボードは道路脇に落ちていたものです。
[2] 椅子の実験者は石井です。 ダンベルは1個3.5kgです。足の下にはヘルスメーターを置けばよかった、と後日、
思ったものです。
[3] (5)の状態で、人にはたらいている力を述べてみましょう。 この状態のまま、立ち上がることができます。
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人の重心(その1) |
椅子に座る(その1) |
椅子から立ち上がる(その2) |