力のつり合い(その3) M-32 No98 08年5月15日(木)
(0) 竿秤を作りました。
(1) 長さ62cm、 幅3cm、 厚さ0.2cmの棒に、 5cmおきに、 上下に二つずつの穴をあけます。おもりを吊す下の穴には、 大型のゼムクリップをつけました。 竿秤は上の穴に通した紐(今回は
加工したクリップ)で吊します。
(2) おもりをかける位置には、 中央を0、 左手に(L)1、 (L)2、 (L)3、 (L)4、 (L)5、 右手に(R)1、 (R)2、 (R)3、 (R)4、 (R)5、と名づけました。
(3) おもりは使い終わった単3乾電池で、 上と下にフックとして小型クリップをはんだづけしました。 1個の重さは約20gです。
(4) 初めは、竿秤を、 0点につけた紐で吊りました。 竿秤の重さは約40g、つまり、おもり2個分です。
R3におもりを2個下げました。 おもり3個でバランスさせるにはどうしたらよいでしょうか。 (4個では、 5個では、 6個では、 …)
(5) 上の答えの1例(写真)を数式で表せば
(R)3×2=(L)1×1+(L)2×1+(L)3×1 =6
適当に、回転の向きに正負を決めれば
(R)3×2―(L)1×1―(L)2×1―(L)3×1 =0
とすることもできます。
(6) 次に、竿秤を(L)1の点の紐で吊しました。 どこにどれだけのおもりを下げれば、<バランス>するでしょう。 このとき、竿秤を紐ではなくてバネ秤で吊したとすると、
バネ秤のよみはどうなるでしょう。
蛇足
[1] 静力学的な竿秤の竿を丈夫に作って、 動力学的に使用すると梃棒(テコボウ)になります。 小さな力で重いものを持ち上げる道具です。
[2] ものを回転させるはたらきを<力のモメント>または<トルク>といいます。 トルクの大きさは、支点からの距離とそれに垂直にはたらく力の積で表せます。 上の(4)のトルクの大きさは
重さ(力)が 0.02[kg重]×2=0.04[kg重]
距離(腕の長さ)は 0.05[m]×3=0.15[m]
トルクは 0.04[kg重]×0.15[m]=0.006[kg重・m]
力をN(ニュートン)とすると 0.04・10[N]×0.15[m]=0.06[N・m]
この場合、 [N・m]は[J]ではありません。
[3] ものの全体の重さは、 重心という1点にかかっていると考えてよいのです。 竿秤の重心は0の点です。
[4] 上の(5)の関係を<力のモメントのつり合い>といいます。<力のつり合い>ではないので要注意です。<トルクが等しい>でもいいのですが、まぎれないように、(6)ではバランスという言葉を使ってみました。
[5] (6)の答えの前半は (L)2×2 or (L)3×1(写真) or …
後半は 80[g] or 60[g] or …
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バランス(その1) |
バランス(その2) |