理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 
測定器の材料(その2) 放射線測定装置(その2)

 放射線測定(その1)  R-1 No94 08417()         

(0) 手作りの放射線測定器です。      

(1) 放電管:トイレット・ペーパーの紙筒の芯を長さ8cmほどに切り、これに合うプラカップの底を切り取って嵌めます。

  より線のビニル線から素線(0.18φ)1本を抜き出し、中央から2つに折って、プラカップの底から筒の中央まで刺します。外側はゼムクリップをはんだづけして,セロテープで底に貼りつけます。これが正の電極になります。

  紙筒の外側に、ゼムクリップをセロテープで貼りつけて、負の電極とします。 紙筒自体が電極になっています。

  正負の電極に耐圧の高いコンデンサー(キャパシター)を、 はんだづけします。

(2) 発電棒(静電気(その3) No27 参照):外径13mmの塩ビパイプを50cm, 外径26mmの塩ビパイプを10cmに切ります。

   ウールの布とアルミ箔を、 ともに長さ10cm、 幅8cmに切り、 筒状にして、 太いパイプの両端に、それぞれ長さ半分ほどに巻きつけて、セロテープで軽く貼りつけます。 

 ただし、ウールの布の方は太いパイプの内部に入れておいて固定します。こうすると、布と箔の距離が短くなって(5cm)、発電能率がよくなります。

  ウールには赤のミノムシクリップのついた被覆導線を、アルミ箔には黒のミノムシクリップのついた被覆導線を、 絶縁テープで貼りつけます。 この両者は高圧の電極になるので、 テープ同士も触れないにようにします。 

(3) 測定:発電棒の導線をコンデンサーにつなぎます。 放電管にガスライターのガス(ブタンガス C4H10)を入れて、 ポリエチレンシートの蓋をして輪ゴムで止めます。

  放電管の近くにラジオを置き、 選局をしない状態でAMをかけておきます。

  放電管の口近くに放射性物質を置いて、コンデンサーを充電します。 発電棒を100300回しごいて、ラジオがコツコツと鳴り出したら、 導線を外します。     

蛇足

[1] 耐圧2.5kV、 容量が4.7nFの無極性コンデンサーは、秋葉原の鈴商で1100円で買えます。

[2] 発電棒のコードをコンデンサーから離すときには、 一方の手で塩ビ棒を持ち、他方の手でクリップの片方ずつを注意深く持って離します。 キャパシターが高圧に充電しているの、電気ショックを受けないようにします。  

[3] 放射能としては、 カリ肥料を袋に入れて使います。 K40 で半減期は42×108(108

)年です。

  特に放射線源を用いなくても、 自然放射能でカウンターは鳴ります。   

 ゴム風船を膨らませて何日か放置します。壁から出る埃にはラドン由来の放射能があるので、これが静電気で風船に付着するのです。

 掃除機の塵芥を収集する袋の中の細かい塵にも、 同じような線源があります。

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石井信也