理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 

ハミルトン・モーター(その2)  E-46  No92 0843()

 

(1) 1mmφのアルミ線がダイソーで手に入ります。適当な長さ(例えば24cm)に切って、 中括弧形()に曲げ、突起の所を軸とします。両端の1cmほどを直角に曲げて尖らせ、高電圧につないだコーヒー缶の底に載せて回してみましょう。  

(2) 長さ1cm程度の銅線を、 洋傘の骨の1本1本の先に、 骨と直角にはんだづけします。 これを、ほどいた水糸の数本で逆さに吊って、 ヴァン・ド・グラーフ起電機の上にかざすと、 ゆっくり回転します。

(3) 絶縁台に乗って、 一方の手で回転子()を持ち、他方の手でヴァン・ド・グラーフ起電機のスイッチを入れてから電極に触ると、 羽が回り出します。

  床に立っている(アースしている)人が、 手で持っているネオン球を羽に近づけるとネオン球が光ります。 羽の回転もよくなります。 

   

蛇足

[1] 金属が帯電しているときには、 その表面は同電位(内部の電位は0)なので、 表面電荷密度は曲率半径に逆比例します。 つまり、 尖っているところでは電荷密度が大きく、 周囲の空気がイオン化されて反発力を受け、その反作用で羽が回ることになります。 ですから、 放電電極は尖らせておきます。

[2] 水糸は、 細い素糸120本を縁り合わせた束の3組を、更に縁り合わせて、 合計360本で作られています。 張力に強く、 絶縁性がよく、 摩擦が小さいので、 便利に使えます。 

[3] 傘を回すときには、 その質量(慣性モメント)が問題になるので、傘の布を剥がしてから使うのがよいでしょう。 傘は100円ショップで買えます。

[4] ちなみに、 拾ってきた自動車のタイア・カバーを回そうとしましたが、 駄目でした。 重さも然ることながら、 あけられている穴の仕上げが悪く、 多くの突起があるためかと思っています。 いつか、 このバリを金鑢で削り取って、 なめらかにしてから再実験をしてみようと思っています。

  金属でできていて、 吊るすことができるものなら、 なんでも回せる筈です。 

[5] 先端からの無声放電を利用しているので、  (3)の実験をするときには、 効率をよくするつもりで、 帽子をかぶりました。 毛髪を立たせる実験があるほどですから…。 ただし、 それが効いているかどうかはわかりません。
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石井信也
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