理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 

リニア・ローター(その4)  E-42  No86  08221()

 

(0) 究極

(1) ところが…です。 携帯電磁石の装置で、電磁石を吊るさないまま、 つまり、 無携帯でローターを線路に乗せてみたらローターが走ったのです! 磁束場なしの交流で!

(2) どこか近くに磁束場を作るものがあるに違いないと思って、近くにある鉄の製品を全部取り去ったりしたのですが、 それでもローターは走るのです。家のどこへ持っていっても走るのです。 庭に出しても走るのです。地磁気かと思ったのですが、 線路の方向にも関係ありません。

  そもそも、 そのような磁束場には無関係なのです。電源が交流なのですから。

(3) ただ、 ひとつ条件がありました。 電流を強くすることです。 スライダックを使用して電圧を徐々に上げていくのです。

(4) 結論はこうでした。 線路の直線電流がローターのコイルの場所に磁束場を作ったのです。 交流のアンペール磁束場です。 

 

蛇足

[1] この装置では、ローターを丁寧に作ることが必要です。

  そこで外径1.2mm, 内径0.8mmの真鍮パイプを東急ハンズで買って来て、 短く切った2本を細い竹ヒゴで繋ぎ(導通をなくすため)、真っすぐなローターの軸を作りました。 

[2] ローターの走る向きは、 整流子の位置で決まります。

[3] このローターを効率的に走らせるには、 線路の間隔を短くすることです。 こうするとローターのコイルの位置に強い磁束場ができるからです。 線路の電流がつくる磁束場が、ローターのコイルに被さるようにすると具合がよいようです。

[4] この一連の実験で、ローターが動きやすいのは、転がり摩擦が小さいからです。ローターを同じ場所で回転させるには、 滑り摩擦に打ち勝つだけのトルクが必要となります。

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石井信也
究極のローター その2 スライダックで9V その2