理科実験を楽しむ会

帰還回路(その5) 0-4    No80   08110()

 

(1) LEDに、電圧をかければ発光しますが、 逆に光を当てれば発電します。 基本的な法則は可逆的です。

  3段アンプを使って、 LEDの光でフィードバック回路の実験をしてみました。

  以後の実験では、 同時にいくつかのLEDを使用するので、 簡単のために、 入力側のそれをLED1、 出力側のそれをLED2とします。

  3段アンプのバイアス電圧は使用せず、 LED1の発電電圧で、トランジスタを作動させます。

  LED1に光を当てるとこの電圧で、 LED2が点灯します。 LED1に当たる光を遮ると、 LED2が消えます。  

(2) そこで、 黒いフィルムケースの底に、 LED1ともう一つのLED2’を向かいあわせて封入しました。 LED2とLED2'は並列につないであります。 フィルムケースの中に光を当てると、 LED1が発電して、 LED2'が発光します。 この状態でフィルムケースの口を手で覆って、 外からの光を遮断しても、 LED2'は点灯し続けます。 外に見えているLED2が点灯しているということは、フルムケースの中のLED2'も点灯しているということです。

  LED1LED2’の相互作用で発光が続いているのです。 正の帰還回路が成立しているところです。

 この状態で、アンプの電源を切って、再び入れてもLED2は点灯しません*。「もとで」がないからです。

(3) この発光状態で、 二つのLEDの間に黒い紙を挿入すると、 入射光が少なくなってLED2の明るさは弱くなります。 この光はLED1には達しないので、相互作用はできません。

 次で、この黒い紙を上へずらすとLEDは再び明く光ります。これに続いて、…

  

蛇足

[1] 写真0は、 フィルムケーを手で覆ったところで、外光がなくても、LED1とLED2'の相互作用で発光が続いていますす。LED2が点灯していることが、これを物語っています。

[2] 写真1は、 両者の間に黒い紙を挟んだ図です。上がLED1で、これに僅かな光が当たって、 LED2とLED2'が弱く点灯しています。 もちろん、 LED1は発光していません。

[3] 写真2は、 黒い紙を上にずらした図です。 LED1が光っているように見えているのは、LED2'の反射です。

[4] 写真3はフィルムケースに、 底を抜いたコーヒー缶を被せて、 外光を遮断しました。 LED2は僅かに光っています。

  写真4はそれに外から<懐中電灯>で光を当てたところです。
[5] * 電源の断続はスイッチで行ってはいけません。身体の一部がアンプの金属部分に触れただけで、LEDが点灯することがあります。回路の開閉はミノムシクリップで静かに行います。
 
 
光を遮っても点灯 LEDの間に黒紙を 黒紙を除くと
外光を遮る 外から光りを
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石井信也