フィードバック回路(その1) E-35 No76 07年12月13日(木)
(1)
3段アンプの入力に細め多数巻のコイルL1を、 出力のLEDに並列に、太め少数巻きのコイルL2を入れます。
L2には小型のスピーカーを直列につないでおきます。
(2)
L1とL2を並べてセットし、 可変抵抗を加減すると、
スピーカーが鳴り出します。音が出ないときには、どちらかのスピーカーを裏返すと鳴ります。これはつなぎ方を逆にしたのと同じことです。
(3)
L1とL2を並べておいて、 その間隔を大きくすると音が高くなり、 接近させると低くなります。 コイルの中に鉄棒を入れると、音は低くなります。
(4) L1をサーチ・コイル、 L2をドライブ・コイルと呼ぶことがあります。
L1で発生した脈流がトランジスタで3段に増幅されてL2に流れ、 これがL1にフィードバックされます。 以後、 原因と結果とが交互にはたらきあって、ますます活性化されるというわけです。蛇足の[4]に追加の説明をしました。
(5) 電源トランスの高圧側をL1に、低圧側をL2として使うことができます。電源トランスの1次側に並列に入れたネオン球が発光しました。
蛇足
[1]
3段アンプについては、 No10〜No16を参考にしてください。
[2]
3段アンプでは、出力検出用のLEDは電源の順向きにつなぎますが、 ここでは、 2次側のコイルがLEDに並列に入っているので、 誘導起電力で点灯するのです。 従って、
LEDは電源に対しては逆向きにつなぎます。 装置には、 順・逆の2つの向きにLEDを入れ、 クリップで選ぶようにすると便利です。
[3] トランジスタのスイッチング作用と電流増幅に加えて、 L1とL2とがトランスを形成して、フィードバックされて発振するのでしょう。 そのためには、 両方のコイルに流れる電流が同位相でなくてはなりません。スピーカーが鳴らないときには逆位相になっていて、ネガティヴにフィードバックされているのです。
フィードバック・サーキットは帰還回路といいます。本来のキの字は、食偏に貴と書きます。ネガティヴ・フィードバックは負帰還回路です。
[4]
100円ショップで買ってきた1mmφのアルミ線を内径50mmの円形に巻き直すと100Tのコイルになります。 これをL2として使います。 L1としては、 0.2mmφのエナメル線を、 同じ直径で200〜300Tのコイルに巻きます。 コイルの径を50mmにしたのは、この後、 この中で磁石のこまを回すためです。
[5] 条件を満たすコイルの組を探してみましょう。
トランスのように見えないコイルはオーム抵抗が大きい方をL1として使ってみましょう。
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石井信也 |