3段アンプPart2(その1) C-3
No68 07年10月18日(木)
(0) 電池・金属の溶解
(1) 銅と鉄の針金を電解液に浸すと電池になります。
金属の酸化還元電位は決まっていて、
例えば、理科学習帳によると電極電位は
Zn2++2e→Zn―0.76[V] Fe2++2e→Fe―0.44[V]
Cu2++2e→Cu+0.43[V]
となっています。 だから、
亜鉛と銅の電池では約1.2Vの起電力が得られるという訳です。だから、 電池の実験では、 電流を多く取り出して、
パイロット・ランプをより明るく点灯させるための工夫が、 いろいろとなされるのです。
しかし、 3段アンプを使用すると電流増幅がきるので、 ここでは、
2種の金属の組が発電することを確かめることに重点を置いて実験をしました。
(2) 銅と鉄を手に持つだけで、 3段アンプのLED(以後LED)が点灯します。 水道水でも、 蒸留水でもOKです。 要するに、
これらの「溶液」に金属が溶けたということになります。
(3) そこで、 この装置を、
液体が金属を溶解するかどうかのチェッカーとして使用することにしました。
(4) ヘキサンC6H14やベンゼンC6H6に銅と鉄を浸してもLEDは点灯しませんでした。炭化水素は「あぶら」だから金属は溶かさないのでしょう。しかし、ヘキサノールC6H13OHやフェノールC6H5OH ではLEDは点灯しました。
アルキル基やフェニル基などのあぶらの基に水酸基がつくと「水っぽく」なるのでしょう。炭化水素の基に、
OH、 NO(NO2、 NO3)、 SO(SO2、 SO3)、
Cl(ClO)などがついた物質をのきなみに調べてみたいものです。 更に、
NH(NH2)、 SH(SH2)などについても。
蛇足
[1] ジメチルスルオキシド(CH3)2SO、 アセトン(CH3)2CO がLEDを点灯させました。
=COは駄目ではないかと思っていたのですが、
アセトンが水、エーテル、アルコールとよく混ざるところをみると、納得です。
[2] とすると、
ドライアイスを液化したものには? に思い至りました。 次回はこれに決まりですネ。
[3] この実験に当たっては、
県立千葉高の錦織由美さん、 犢橋(こてはし)高校の内野雅子さんの協力を得ました。
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石井信也 |