理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 

生徒のことば(2) E-29   No65     07927()

 

(0) 何でも帯電

(1) 2種類のものを摩擦して、 それぞれのものが帯電したかどうかを箔検電器で調べてみると、帯電するものとしないものとがあります。 帯電しないものは、電気が実験者の身体を通して地球へ逃げてしまうからで、 プラ手袋をはめて実験すると, どんなものでも帯電することがわかります。

  発泡スチロールの台に乗った人の衣服を、 ウールで摩擦すれば、人間も帯電します。 摩擦でなく、 静電誘導という方法でも帯電します。

(2)  さて、 ここで、 すべてのものが帯電するというのなら、水を帯電させようという意見が出ました。器に入った水を帯電させるのでは駄目なのです。 生徒諸君は厳しいのです。 みんなで考えた<水だけを帯電させる>方法は、次のようなものでした。 

(3) 図を見ながら、説明を読んでください。

 水を入れたビュレットをスタンドに立てます。 ここから水を垂らし、 それが落ちて行く間に静電誘導を起こさせようというのです。

 誘導用の発泡スチロール板を, 水が落ちてくる近くに鉛直に立ててウールで摩擦しておきます。ここで静電誘導を起こした落下中の水滴に、細い針金を触れさせてアースします。 この水滴を、 その下の箔検電器の缶で受けて、 箔を開かせようというのです。

(4) 水がポタリポタリと落ちると、 箔はそれにつれて、 断続的に開きを大きくしていきました。 箔が開いていくと、 "オーッ"という声が生徒からあがりました。

 この水で、ネオン球が発光します。この水はプラスに帯電しています。

 

[蛇足]

[1] 静電誘導については、 <静電気(その2)No26>を参考に。

[2] 誘導用の板がビュレットに近いと、 水滴がビュレットから離れるときに、 すでに誘導を起こしていて、 ビュレット−スタンド−机−… がアースの役割をしていることがあります。この場合には、 アース用の針金がなくても、 検電器の箔は開きます。

[3] この後で、気体の帯電についても考えましたが、良いアイデアは得られませんでした。高圧で充電したコンデンサーの電極を焔に触れさせると、放電してしまいます。これは焔が電気を通したことになりますが、焔が気体であるかどうかは問題がありましょう。気態ではありますが。
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石井信也