乗り物の中の実験(3) M-21 No52 07年6月28日(木)
(0) 飛行機の中で 慣性力2
(1) 飛行機に乗った際、
離陸の時の加速度を測ってみました。
壁に簡単なおもりを吊って、 その下の紙に、その振れを書き込みました。
飛行機が離陸したと思われてからも、
暫くは、 おもりの位置は変わりませんでした。
(2) 飛行機は一定のパワーで、 滑走路を加速して行って、 離陸してからは、 おもりの傾いた
角度で、等速度で上昇したものと思われます。 滑走時の「加速角」と上昇時の
「重力角」が同じ程度で、角度は20度くらいだったでしょうか。
とすると、 加速度α=gθ=9.8×(π/180)×20=3.4≒g/3 (単位略)
(3) 滑走時におもりにはたらく力は、 重力と糸の張力と慣性力です。
飛行機の中という非慣性系で、これらの3力が釣合って、おもりは静止しています。
(4) 上昇中には、 飛行機は等速度で運動していて、 この慣性系で、 おもりにはたらく
重力と糸の張力の2力が釣合っていて、おもりは静止しています。
(5) 飛行機にはたらく力は、 重力、 空気からの力(噴射の反力、 揚力、 抵抗力)、
地面からの抗力(離陸前)など、 かなり複雑だと思われます。
[蛇足]
[1] 飛行機は、 離陸前には等加速度運動を、 離陸後には等速度運動をしているとか、
エンジンの出力は一定であるとか…、いくつかの仮定があります。エンジンの出力は、
離陸前には飛行機の運動エネルギーに変わり、離陸後には重力エネルギーに
変わったことになります。
[2] 糸はスチュアデスさんに貰ったと思います。 おもりは5円硬貨で、
糸はセロテープ(持参)で貼りつけました。
[3] 英国での実験もあります。飛行機が着陸時、エンジンを逆噴射して減速するときには、
おもりの振れは最大30度ほどでした。
[4] 搭乗の際、 前に並んでいた年配の男性がいいました。
「こんなに大きい鉄が空を飛ぶんだからな!」
[5] 実験の後 "重力と慣性力が同等である" という等価原理を考えながら、
眠りに落ちました。
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shinya@aqua.dti2.ne.jp. | 石井信也 |