回路(その2) E-26 No49 2007年6月7日(木)
(0) 電束電流。
(1) 2枚の金属板を平行にしたコンデンサーを考えます。これを直流電源で充電すると、回路には電流が流れ
るので、その導線の周囲には磁場 H ができます。 同じ磁場が電極の間の空間にもできるのは、あたかも、
そこにも、電流が流れているかのように見えます。これを電束電流といいます。
(2) マックスエルの方程式の一つ
∇×B=μο(j+∂D/∂t)
で、電束D(=εοE)の時間変化は、電流jと同格です。
(3) 次のように実験装置を作りました。
(イ) 5cm角の銅板を2枚、発泡スチロールに貼って、平行平板コンデンサーを作る。
(ロ) 大型のシャックル(U字型掛け金、登山に使うカラビナに似ている)に0.2mmφのエナメル線を1500回巻く。
(ハ) インスタント・カメラの配線部分を取り出し、整流用ダイオードをショートさせて、充電のための
コンデンサーを取り去ると、20kHzの交流電源として使える。
(4) 次のように操作しました。
(イ) シャックルをコンデンサーで挟む、極板の間隔は30mm。容量は9pF。
(ロ) コイルを3段アンプにつなぐ。
(ハ) 交流電源を平行平板コンデンサーにつなぐ。
(5) 交流電源をonにすると、 3段アンプのLEDが点灯します。 コンデンサーの電極の間隔を小さくすると、
LEDの明るさが増すので、電束電流の存在を確認できたことになります。
(6) 結論はこうです。回路の途中にコンデンサーがあっても、回路には同じ電流が流れている。
[蛇足]
[1] 容量を大きくするために、シャックルの間に、プラ容器に入れた水を置きました。比誘電率が80なので、
容量を大きくしたいと思ったのですが、あまり変わりませんでした。.
[2] 電源の周波数は 20kHz なので、ひょっとし、発振の影響があるかと思って、容器全体をアルミホイルで
包みました。3段アンプの方にも同様の措置をしました。
[3] 実験中には、鉄芯(シャックル)をボディー・アースしました。
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電束電流確認装置 | シャックルにコイルを、手前は上のコンデンサー |
左発振器、右3段アンプ |