回転磁界(その4)E-23 No46 2007年5月17日(木)
(0) 同調ごま
(1) コイルに交流を流すと、東日本では、50Hzの振動磁界ができます。左右NSの磁石ごまは、
水平の振動磁界で、50Hzの同調回転をします。電源はスライダックの10V程度を使います。
(2) 真ちゅう棒(0.6mmφ程度)の軸に、小さい磁石を貼りつけて(軸と磁極が直交するように貼る)、
水平の位置に二つあけたフィルムケースの穴に軸をさして、コイルの振動磁界に入れると、
回転させられます。ただし、初動によるこまの回転数が、交流の周波数に合わないと回りだしません。
(3) ロータ−が小さいと、場に持ち込むだけで、回転が始まります。
(4) 小さい穴があいた球形や薄い円筒形の磁石が東急ハンズで手に入ります。
軸をさす穴に対して、直角方向に着磁されていると、具合がよいのですが、そうでない場合でも
回ることがあるのは、交流の磁場方向の成分が少しでも磁石にあれば、これが有効にはたらくのでしょう。
(5) フェライト磁石を砕いて粉状にしたら、飯粒で捏ねて小さな球状にして、真ちゅう棒にさします。
ネオジム磁石の磁極を、真ちゅう棒に垂直に近づけて、球を「着磁」してから、(2)の形にして回します。
蛇足
[1]
前回の、スチールウール・モーターのローターを小形の磁石にすると、このモーターになります。
円筒形の小形のネオジム磁石を2個、「ストロー」に詰めて、磁石の間に軸を通せばローターになります。
[2]
関西では交流の周波数が60Hzなので、初速の与え方が異なります。
[3]
磁石の表面に、黒と白で、2極のストロボスコープ(写真参考、BMWのエンブレムに似ている)を描いて、
蛍光灯の下で回すと、このフィギャー(figure)が止まって見えます。黒・白の模様が、薄い青・緑の
ベンハムカラー(Benham Color)になって見えます。
[4] これで、こまの回転数が50Hzであることがわかります。
蛍光灯の点滅時間は 1/100[s]で、その間にこまは1/2回転するので、
回転速度は 1/2÷1/100[s]=50[1/s]=50[Hz]
[5]
この実験は、インバーター蛍光灯では駄目です。ちらつきを少なくするために周波数を50kHzに
上げてあるからです。