回転磁界(その1) E-20 No43 2007年4月26日(木)
(1)高校の教材として使われている回転磁界の実験装置は、次のようにできています。
2つのコイルを直角に組んで、一方のコイルには容量の大きいコンデンサーが入っています。
これらを並列にして、数ボルトで交流を流すと、コイルの空間に回転磁界ができて、
金属のローターが回る、というものです。
(2)これを簡単に作る方法があります。
TVのブラウン管の偏向コイルには、直角の位置に二つのコイルがセットされています。
これを使います。通常、二つのコイルは、端子が赤と青のものと、黄と緑のもので、
後者の方が、オーム抵抗が大きいようです。写真のものでは、前者が1.6Ω、
後者が12.8Ωでした。
抵抗の小さい赤青の間に1000μF程度のコンデンサー(ケミコンOK、向きには無関係)を
入れて、二つのコイルを並列につないで、スライダックで数ボルトの交流を流します。
鉛直に立てた真ちゅう棒に、アルミの鉛筆サックをさしたローターを、コイルの中に置くと回ります。
蛇足
[1]
コンデンサーの代わりに、数ミリヘンリーのコイルを入れると、ローターは逆向きに回ります。
写真のセットでは7mHです。
[2] 尤も、直交している二つのコイルの容量が異なるので、コンデンサーやコイルを入れなくても、
回転磁界はできています。
[3] 偏向コイルのカップの中に、時計皿を置いて、その中でいろいろなローターを回してみましょう。
[4]
写真のローターは、プラ球にスチールウールを詰めたものです。細い糸で吊ってもよいでしょう。