ファラデー・モーター(その4) M-16 No40 2007年4月5日(木)
(1) 机の上に磁石を置き、それを横切るように、幅5mmのアルミフォイルの「導線」を張ります。
導線の張り方は、弧状にたるみを持たせて、動けるようにしておきます。
(2) ”この導線に電気を流すと、どうなるかな?”と問うてみましょう。子どもの答えは
”磁石に引かれる” か ”磁石に押される” かのどちらかです。
(3) 導線に電流を流すと、導線は横っちょの方へずっこけるのです。
一人の子どもの表現は見事でした。”いやがってる!”
(4) ニュートン力学は、ものとものとが、それを結んだ方向へ引き合うか、押し合うかのいずれかで、
私たちの日常経験と一致しています。これは未経験の力なのです。場の導入の契機になります。
(5) 磁石の向を変えると、導線の動きが逆になります。
(6)
電流の向を変えると、導線の動きが逆になります。途中に切り替えスイッチを入れて、
電流の向きを周期的に変えると、導線はこれに応じて周期的に「行ったり来たり」します。
(7) スライダックで交流の0V(ゼロヴォルト!)を使ってみましょう。
蛇足
[1]
ファラデー・モーターは電流が磁場からうける力を利用しています。
[2] 電流が磁場から受ける力に関しては、フレミングの左手の法則があります。
左手の第一指(親指)、第二指(人差し指)、第三指(中指)が互いに直角になるように伸ばして、
第二指が磁場の、第三指が電流の方向・向きを表すようにすると、
第一指が電流にはたらく力の方向・向きを表す、というものです。
1、2、3:F(力)、B(磁場)、I(電流)
と覚えます。 FBI:連邦捜査局、局員はGメン。
[3] 方向(direction)と向き(sense:[数学]vectorなどが示す相反二方向の一方の向き
[KENKYUSHA’S NEW ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY])を区別して使いたいものです。
例えば、柿が落ちるのは、鉛直方向下向き、というように。
[4] この実験(交流使用は別)は、科学の祭典で見たものです。
[5] 切り替えスイッチで周期的な動きを見せて(6)から、スライダックで変圧した交流を流す(7)と、
モーターの動きに見えます。
[6] 指で押さえて回路を作る時には、手袋をして実験するとよいでしょう。
ジュール熱で熱くなることがあります。