ファラデー・モーター(その3) M-15 No39
2007年3月29日(木)
(1) ファラデー・モーターの一種にクリップ・モーターがあって、理科の実験に広く使われています。
工作が簡単で、原理がわかりやすい、優れた教材です。
(2) ローターはエナメル線を10回ほど巻き、その両端を一直線状にのばして軸とします。
軸の一方はエナメル線の半分を、他方はエナメル線の全部をはがすことで、
「整流作用」を持たせることができます。
(3) 半分伸ばしたゼムクリップを2本、上下がNSの磁石を挟んで、発泡スチロールの台に
刺して、軸受けとします。
単3乾電池の両電極をクリップのそれぞれにつなげると、ステイターができあがります。
(4) ローターをステイターに「乗せる」とモーターが回ります。
蛇足
[1] 軸の半分を削るアイデアは小林卓二さんのものと思われます。
この方法を、昭和32年に発行された<電気の歴史>の中に書いた、ということを、
<ファラデーのモーターの科学>(さ・え・ら書房発行 86年4月刊)に書かれています。
[2] 軸受けにゼムクリップを使うことで<クリップ・モーター>の名が、その後、どこかで、
つけられたのでしょう。ただし、クリップが鉄なので、磁石に引かれたりして不具合が
起きたりします。
[3」 ローターは子どもに作らせると、いろいろな形のものを作ります。
[4] 乾電池に軸受けをとりつけてしまうと、構造が簡単になります。
[5] 写真は単巻ローターで、乾電池を2本使ってみました。
[6] このモーターは電流を断続させる、スイッチとして使うことができますが、それについては後日。