静電気(その5) E-16 No29 2007年1月18日(木)
(0) ハミルトン・モーター
(1)
卍型の放電叉を金属の軸にとりつけて、ヴァン・ド・グラーフ起電機の球形電極に乗せて回転させる、
という実験装置があります。ハミルトン風車といいます。これを作って発電棒(No27)で回してみましょう。
(2)
発泡スチロールの台に、真ちゅう棒(0.6〜0.8mm)を鉛直に立てて、絶縁状態にしておきます。
真ちゅう棒の軸に金属の鉛筆サックを被せて回転させます。
(3)
長さ30cmほどの銅線の中央に、直径7mmほどの円を作ってはんだづけしておきます。
銅線の両端は1cmほど、互いに逆向きで直角に折り曲げておきます。
これを鉛筆サックに嵌めてローターにします。
(4) 真ちゅう棒を介して発電棒でローターに給電すると回転します。
(5)
真ちゅう棒の周囲に墨汁を塗った円形の紙を貼ってアースにしておくと、ローターの回転がよくなります。
蛇足
[1] いろいろなローターとステイターを作って、回して遊びましょう。
[2] 例えば、鉛筆サックの頭に短い針をはんだづけしておきます。これに植物の細い枝を水平にして、
その両端にまち針を直角に 刺すと、よいローターになります。
[3] はんだづけの代わりに、鳩目で細い針金を鉛筆サックに固定できます。
[4] もっと簡単な方法を紹介しておきます。鉛筆サックの突端に、ビールのアルミ缶を切った細長い短冊を
セロテープで貼りつけ、両端に三角形のアルミ箔の旗(No27 [5])
を貼りつければよいのです。
[5] このローターは正負いずれに帯電させても、同じ向き、つまり、放電叉の突端の逆向きに回転します。
ローターの回転を止めておいて(動いていたのでは見にくい)、線香を近づけると、煙は激しく、
放電叉の後方へ押しやられました。この空気の反作用で、ローターは動くようです。
[6] ハミルトン風車のローターやステイターを種々の形に変えて、モーター風(ふう)にすることを展望しながら、
私たちはこの装置を<ハミルトン・モーター>と呼ぶことにしました。