静電気(その3) E-14 No27 2007年1月4日(木)
(0) 摩擦による発電機−発電棒
(1)
内径12mm、外径18mm、長さ900mmの塩ビ棒と、内径20mm、外径26mm、
長さ110mmの塩ビ棒を用意します。
(2) 短い塩ビ棒の片方の口の部分にアルミホイルを、もう一方の口の部分にティッシュを巻きつけ、
セロテープで棒に貼りつけます。
(3) 短い棒に長い棒をさしこむと、発電棒はできあがりです。
(4) 左手でティッシュの上から2本の棒を握り、右手で長い棒の手前を持って前後にしごくと、
アルミホイルにマイナスの電気がたまります。
(5) 細長い発泡スチロールの台に、鍋焼きうどんの鍋の縁を貼りつけたものを2個作ります(写真参考)。
鍋の裏を20mmの間隔で向かい合わせ、鉛直になるように、木の台に貼りつけます。
片方の鍋はアルミテープで木の台につないでアースします。これは一種のコンデンサーで、
鍋コンデンサーと呼ぶことにします。 アースした方はアース電極、他方は絶縁電極です。
(6) 絶縁電極の前で、発電棒をしごくとコンデンサーが充電します。絶縁電極がマイナスで、
アース電極がプラスになります。
(7) 電気振子(No25 [4])を電極の間に吊すと、球が激しく往復運動をします。
(8) 絶縁電極にネオン球を触れると発光します。
(9)
ラヂオのAM放送で、同調しない周波数帯にダイアルをまわすと、充放電の際に、
電波を受信する音が聞こえます。
蛇足
[1] ティッシュを持つ左手に軍手をすると、ティッシュが湿るのを防げます。
[2] 実験がうまくいかない時には、発電棒とコンデンサーのまわりを、ヘアドライアーの熱風で乾かします。
[3]
発電棒の、アルミホイルとティッシュを、棒に貼りつけたセロテープが互いに重ならないようにします。
ショートすることがあります。
[4] コンデンサーの絶縁電極はアースしないように、二重の発泡スチロールで絶縁しておきます(写真参照)。
[5] アルミホイルの「旗」をつけたミノムシクリップで、絶縁電極を咥えておき、
この前で発電棒を操作して充電します。棒は旗に触れる必要はありません。
離れていても無声放電で充電します。
[6] 発電棒のアルミ電極から、導線を引き出しておきます(使わない時には棒に巻きつけておく 写真参考)。
これで、絶縁電極を咥えて発電棒を操作すると、能率よく充電できます。しかし、充電後、
このクリップを外す時に、指から電気が逃げてしまうことがあります。静電気のような高圧では、
クリップや導線の絶縁部分に手が触れることでも、電気が逃げるのです
(クリップを発泡スチロール片でカバーしてあるが 写真参考)。 そこで、絶縁電極の外側に、
アルミホイルのカップ(以後、充電カップと呼ぶ)を貼りつけました。
発電棒の導線の先端(クリップ)をこれに入れた状態 (電極を挟んだりしない)で充電し、
充電が終わった時点で、発電棒を引っぱって外します。 導線には手を触れません。
[7] ちなみに、鍋コンデンサーの容量は20pF程度でした。