静電気(その2) E-13 No26
2006年12月28日(木)
(0) 静電誘導
(1) 電気盆を作って遊びましょう。電気盆の作り方と使い方は、3段アンプ(その5)、No18にあります。
(2) 電気盆に電気がたまったら、これに、静電気(その1)、No25で作った電気振子を近づけると、
激しく引きつけられてから、弾き飛ばされます。振子の球に指を触れると、再び盆に引きつけられます。
(3) 電気盆に指を触れると、軽い電気ショックを受けることがあります。指の代わりにネオン球を触れると、
ネオン球が点灯します。
(4) 電気は盆とトレイの間に溜っています。このようにプラス・マイナスの電気をためる一組の物体を
コンデンサーといいます。
蛇足
[1] プラスチックのストローをティッシュで擦って、小さい紙切れや発泡スチロールの小片に近づけると、
吸いついてきます。摩擦でストローにはマイナスの電気がたまっていて、これを不導体の物質に近づけると、
物質中の電荷に偏りができて、ストローの近くにプラスの電荷が、遠くにマイナスの電荷が現れます。
これを誘電分極といいます。近くのプラスの電荷には、ストローから、より強い電気力がはたらくので、
引きつけられると考えられています。
[2] プラスチックのストローをティッシュでこすって、小さなアルミホイルに近づけると、吸いついて来て、
触れると弾かれていきます。上述のように、ストローにはマイナスの電気がたまっていて、これを金属に
近づけると、金属中の電子が反発されて遠ざかり、結果として、近くにはプラスの電荷が、
遠くにはマイナスの電荷が現われます。これを静電誘導といいます。
[3] 電気盆の実験では、トレイの電荷で盆に静電誘導が起きます。その状態で盆に指を触れると、
マイナスの電荷(電子)は、お互いの反発力で地球に逃げてしまします。これをアースするといいます。
電気盆とトレイで構成されたコンデンサーは充電されたことになります。
[4] 物体間の距離が電圧の大きさに比例します。だから、盆を高く持ち上げると、
電圧が高くなってネオン球が明るくつきます。重力ポテンシャルに似ていると思いませんか。
容量Cのコンデンサーを、電荷Qで充電して、電圧がVになったとすると
Q=CV
平行平板コンデンサーの容量Cは、面積をS、距離をdとすると(kは比例定数)
C=kS/d
∴ V=Q・d/kS 電気盆を平行平板コンデンサーと見なせば、Vがdに比例することがわかります。
[5] 金属とプラスチックの大型の「盆」があったら、大型の電気盆を作って、大量の電荷をためてみましょう。
ウールの布でこするといいでしょう。
[6] 使い捨てカメラを壊すと、ネオン球が取り出せます。これの片方の脚を持って、他の脚を盆に触れると、
ネオン球が点灯します。使い捨てカメラはフォトショップでもらってきますが、壊すときには、
コンデンサーをショートさせて、たまっているかもしれない電荷を放電させてから工作しましょう。