渦電流(その2) E-10 No18
2006年11月2日(木)
(1) 渦電流は誘導電流の1種ですから、その大きさは磁束の変化の速さに比例します。
ということは、磁石の強さと、その運動(回転)の速さに比例すると考えてもよいでしょう。
そこで、ネオジム磁石でブンブンごまを作ってみました。
100円ショップで買ってきたタブレット型のネオジム磁石を6個重ねて、その中央に輪の
形にしたたこ糸を挟んで、ブンブンごまにしました。磁石が離れないように、
上からセロテープを貼りました。
(2) 前回使ったビール缶の底を、磁石ブンブンごまで回してみましょう。
ブンブンごまの回転の向きが変わると、缶には逆向きの力がはたらくので、缶は回り続けません。
(3) そこで、例えば、缶の右側でブンブンごまを回したら、続く逆回転の時には、
ブンブンごまを缶からはずして、缶に力を加えるのを「休みに」します。このようにすると、
缶には同じ向きの力がはたらいて、回り続けます。
(4) 缶の右側でブンブンごまを回したら、続く逆回転の時には、缶の左側で回すようにすれば、
缶に「休みなく」同じ向きの力をはたらかせることができます。
(5) 厚さ15mm、直径70mmの銅の円板を、ガラス板の上の時計皿に乗せて、円周に沿って
磁石の極を回していくと、円板も回ります。引かれて?押されて?
1辺5cmの立方体の銅は質量は1kgを越えますが、この重さの金属でも同様の
方法で回すことができます。
蛇足
(1) 磁石のN極が金属の1点に近づくと、その点にN極ができて、両者は押し合います。
磁石のS極でも同じことがいえます。
磁石のN極が金属の1点から遠ざかると、その点にS極ができて、両者は引き合います。
磁石のS極でも同じことです。
(2) 磁石の動きで、金属に磁極ができることは、渦電流による磁束で考えてもよいでしょう。
(3) 上の(4)の方法は、群馬の黒田健二さんのアイデアです。
(4) 誘導起電力は dφ/dt に比例するので、これを大きくするために、dtを小さくする方法として、
ブンブンごまにしたという訳です。
(5) 写真で×印をつけたローターが止まっているように見えるのは、デジカメのシャッターが速いためです。