渦電流(その1) E-9          No17    2006年10月26日(木)
 
1) タブレット型のネオジム磁石で実験します。
    1円硬貨を細い糸で吊って、磁石のN極をこれに近づけたり遠ざけたりしてみましょう。
     横にも動かしてみましょう。S極で同じ実験をしてみましょう。
(2) ビールのアルミ缶の底を切りとって、机の上で回転できるようにしておきます。
        その縁に沿って、磁極を動かしてみましょう。
(3) このアルミ缶を回しておいて、縁の近くに磁極を近づけてみましょう。
(4) CDの光っている部分はアルミです。小さい発泡スチロールのブロックを水に浮かべて、
        その上にCDを乗せます。これを磁石で回してみましょう。
     非鉄金属なら、何でも彼(かん)でも回してみましょう。
(5) 鉛直に保った細いアルミパイプの中に、ネオジム磁石を落します。
    この磁石を1度強熱して脱磁した後で、同じ実験をしてみましょう。 
(6) 机の上に置いた銅かアルミの厚板に、磁石のN極を下にして、4〜5cmの
    高さから静かに落としてみましょう。S極でもどうぞ。
 
蛇足
(1) 上の(1)の1円硬貨の実験は、千葉物理サークルでなされてきたものです。
         ネオジム磁石を数個、ボルトの先につけて実験したのは、使い易いからです。
(2) 上の(2)(3)は、アラゴーが実験した形式なので、このような円盤を一般にアラゴー回転板をいいます。
(3) 上の(5)の実験の細いアルミのパイプ(内径5mm、外径7mm)と、
         これに入る小型のネオジム磁石(4個100円)は、ダイソーで手に入ります。
         8班で実験しても1050円です。
    その中の1個を熱して脱磁してから使いました。
(4) 閉じたコイルの近くで磁石を動かすと、コイルに電流が流れます。電磁誘導です。
    コイル状でない金属でも電磁誘導が起きて電流が流れます。この種の電流を渦電流といいますが、
    この現象の本質を解明したフーコ−の名を借りて、フーコー電流とも呼びます。
(5) この実験で使った円盤状の銅板を見て、群馬の田部井三郎さんは言ったものです。
   ”いっぱい巻いたコイルみたい”この現象を初めて聞いたとき私は思ったものです。”電気って融通性がある”
(6) 金属の上に落ちる磁石はソフトランディングします。
(7) 今回から、この後半の見出しを<注意>から<蛇足>に変えました。大した意味はありませんが…。
理科実験を楽しむ会
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1円硬貨の渦電流 水に浮いたCDの渦電流