3段アンプ(その7) T-1 No16 2006年10月19日(木)
(1) 銅-コンスタンタンとか、クロメル-アルメルとかいう金属の組の、一部を熱することで、
電気を起こすことができます。
(2) しかし、熱エネルギーは能率が悪く、1Vの電圧は、温度でいえば、およそ1万度に
相当するので、これを実験で示すことは容易ではありません。 ちなみに、光のエネルギーでいえば、
可視光程度になり、こちらは簡単です(No12参照)。
(3) ということで、クロメル-アルメル
の組を10組直列にして、結合部分をバーナーで加熱して、
LEDを点灯させました。この分野の実験では、3段アンプでも、バイアス電源を使用することになります。
注意
(1) 2種類の異なった金属を結合して回路を作り、この二つの結合部分の温度を変えると、
この回路に電流が流れます。これを熱電流といいます。
(2) 写真は上述(3)の実験です。バーナーで加熱した高温部と、室温の低温部の間に起電力が発生して
います。 テスターによる測定では、数値は200mV程度のところをふらついていました。
化学便覧によると、0℃〜400℃で16.4mVとなっています。
ちなみに、銅-コンスタンタンでは、同温度差で20.8mVです。
(3) 銅-コンスタンタンでは、高温部で後者から前者へ、クロメル-アルメルでも、高温部で後者から前者へ、
電流が流れます。
成分は、コンスタンタン:Cu-60%,Ni-40%. クロメル:Ni-80%,Cr-20%.
アルメル:Ni-90%,Al-2%,Si-1%,Mn- 2.5%,Fe-0.5%.です。
(4) 出来合いの熱電素子を使えば、実験は簡単です。写真では、パワー・トランジスターの放熱板を熱し、
その上にサーモ・モジュール(秋葉原で1500円)を乗せて実験しています。
(5) これで 3段アンプ のシリーズは、ひとまづ終わりです。サブタイトルをつければ、
<いろいろな方法で電気を起こそう>というものです。
その方法は、(その2)化学電気、(その3)光電気、(その4)電磁誘導、(その5)静電気、
(その6)圧電気、(その7)熱電気、の順でした。 次回からは渦電流です。