WOOD FLUTE

WOOD FLUTE ブランダン・ブラナック著、武下英二訳『アイルランドの民族音楽とダンス』によれば、「アイルランドでのフルートの普及が、いつ頃始まったのかを述べるのは不可能」とのことです。しかしいずれにせよ、18世紀以降に大陸より持ち込まれたようで、それがフィドルと同様、アイリッシュ・ミュージックと相性ぴったりだったために、今ではフィドルと並ぶセッションの花形楽器となりました。
 フルートといえば銀色に輝くキーのいっぱい付いた物を想像しますが、アイリッシュでは木製の古楽器、クラシックで言うところのフルート・トラベルソとよく似たものを用います。この楽器の全盛期だったバロック時代の頃から、ずっと伝統音楽に使われてきて、国内の職人もこれを作り続けてきたのでしょうね。
 でも実はそれ以上に、木製でキーなしのフルート(現地の人はウッド・フルートとも呼びます)が、アイリッシュミュージックの表現にまことにふさわしかったという事は、まぎれも無い事実だと思います。ひとつの音から隣の音へとすべらせるポルタメント効果や、指で穴を扇いで出すビブラートなど、ウッド・フルートならではの表現が、あれこれとあるのです。
 始めてアイリッシュのフルート、特にスローな曲を聴く人は、その音色や装飾があまりにもなじみ深く聴こえるので、驚くことでしょう。それは、我々の尺八の響きにも非常に似ています。とても面白いことです。
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