俺は世界一うたぐり深い男だ。 俺は自分で見たモノ以外、自分で触ったモノ以外、 何も信じない! 俺は自分で聞いたモノ以外、自分で味わったモノ以外、 何も信じない! テレビも信じない。新聞も信じない。 俺が実際に現場に行って、 見て、聞いてきて、はじめて信じてやる! 言っておくが俺は今、見たものしか信じない。 さっき見たものは信じない。 ちなみに、俺はさっきまで台所にいたが、 俺はもう既に、その台所の存在を信じていない。 どうだ? ビックリしたか? 俺は世界一うたぐり深い男だ! 「わかった、わかった・・・」 その男の友人が、あきれ顔でうなずいた。 「じゃあ、聞くけど・・・テレビとか、 新聞とかの情報は全部ウソなのかい?」 友人は興味本位と社交辞令を ひっくるめて質問をしてみた。 つづく |
「当然さ!」 男は自信タップリに即答した。 「じゃあ一体、メディアは何のために、 そんな意味の無いコトをやってるんだい? まさか、そいつらが全員、君をだまそうと・・・ ただ、それだけのために毎日ニュースとか、 情報番組とかを作っているのかい?」 男はしばらく黙りこむと、 静かに口を開いた・・・ 「もし、そうだとしたも俺は、それすら信じない!」 男は、とにかく信じないの一点張りだった。 「よ〜し、そこまで言うなら、僕が君をだましてやる!」 男の友人はよっぽど頭に来たのか、 男に挑戦状を叩き付けた。 しかし、男の返事はこうだ。 「俺は、お前が俺をだますなんてコトは信じない!」 友人はあきれて帰ってしまった。 「あいつ、本当に帰ったのかな・・・?」 男は意外と寂しがり屋だった。 「っていうか、あいつは誰だ?」 男は単なる病気であった。 「なぜ俺のコトを信じてくれないの?」 おわり |
名前 | 名井 真二 | 性別 | 男 | この小説はフィクションです。この小説に出てくる個人名、団体名、企業名 などはすべて架空のモノです。同じような名前が実在したとしても一切関係ありません。 |
年齢 | 22才 | 職業 | 大学3年生 | |
星座 | 蟹座 | 血液型 | B型 |