短編ネット小説 世界一うたぐり深い男(全2話)
第1話質問
最終話回答

俺は世界一うたぐり深い男だ。
俺は自分で見たモノ以外、自分で触ったモノ以外、
何も信じない!
俺は自分で聞いたモノ以外、自分で味わったモノ以外、
何も信じない!
テレビも信じない。新聞も信じない。
俺が実際に現場に行って、
見て、聞いてきて、はじめて信じてやる!
言っておくが俺は今、見たものしか信じない。
さっき見たものは信じない。
ちなみに、俺はさっきまで台所にいたが、
俺はもう既に、その台所の存在を信じていない。
どうだ?
ビックリしたか?
俺は世界一うたぐり深い男だ!

「わかった、わかった・・・」
その男の友人が、あきれ顔でうなずいた。
「じゃあ、聞くけど・・・テレビとか、
新聞とかの情報は全部ウソなのかい?」
友人は興味本位と社交辞令を
ひっくるめて質問をしてみた。
つづく

「当然さ!」
男は自信タップリに即答した。
「じゃあ一体、メディアは何のために、
そんな意味の無いコトをやってるんだい?
まさか、そいつらが全員、君をだまそうと・・・
ただ、それだけのために毎日ニュースとか、
情報番組とかを作っているのかい?」
男はしばらく黙りこむと、
静かに口を開いた・・・
「もし、そうだとしたも俺は、それすら信じない!」
男は、とにかく信じないの一点張りだった。
「よ〜し、そこまで言うなら、僕が君をだましてやる!」
男の友人はよっぽど頭に来たのか、
男に挑戦状を叩き付けた。
しかし、男の返事はこうだ。
「俺は、お前が俺をだますなんてコトは信じない!」
友人はあきれて帰ってしまった。
「あいつ、本当に帰ったのかな・・・?」
男は意外と寂しがり屋だった。
「っていうか、あいつは誰だ?」
男は単なる病気であった。
「なぜ俺のコトを信じてくれないの?」
おわり
この小説の主人公
お断り
名前 名井 真二 性別 この小説はフィクションです。この小説に出てくる個人名、団体名、企業名 などはすべて架空のモノです。同じような名前が実在したとしても一切関係ありません。
年齢22才 職業大学3年生
星座蟹座 血液型B型