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-No.5- 今さらフジロック体験記 その3

あのフジロックから2ヶ月以上たち、ようやくフジロック二日目のレポ書きます。
しょーじきいって、初日のインパクトが強すぎて二日目はインパクトと言う面に関しては初日に劣ると思います。
それは俺自身が慣れてきたということと、最大の目的であるオアシスで完全燃焼してしまったということもあるでしょう。
まあ、そういう訳なんでとりあえず、二日目はこんな感じでしたと言う感じで書きますのであしからず。

では二日目の話。

前日のUK3連チャンにより体は筋肉痛に見舞われて起床。
二日目のスケジュールは最初のうちはこれと言って気になるアーティストがなかったため、アーティストTシャツを買いに行こうと決めていた。
グリーンステージを通過して11時前にTシャツ売り場に着く。
前日は、すごい行列が出来ていたが、今日もまたすごい行列だった。まさに長蛇の列とはこの事。
それでも、熊本からはるばるきた以上、フジロックらしい物を手に入れずに帰るのは口惜しい。
ここは一つ思い出を形に残すというつもりで長蛇に参戦。
どれくらい並んだだろうか、ナンバーガールを最初から最後まで聴きとおし、次のJuno Reactorの途中まで聴いてたと思うが、約2時間くらいか。ようやく購入エリアに入る事が出来た。
おめあてはオアシスのTシャツ!と言いたいところだが、オアシスのTシャツはお世辞にも格好いいとはいえるものがない。
去年のツアーの時もそうだったがオアシスのTシャツはどう見てもオシャレと言いがたい。しかも以前のロゴの方が好きだし。
ファンにとってはマストアイテムだろうが、どうしてもケチな俺は購入に踏み切れず。
(でも、かっこいいデザインのTシャツ着てる人いたけど、あれはどこで買ったのだろう??)
それじゃ、オアシスがダメならば、やっぱりトラヴィスでしょう。
トラヴィスのロゴのデザインってすっごくかっこいいと思う。
前日のトラヴィスのライブの際にスタッフが着てたトラヴィスTシャツは、黒地に白でTRAVISとシンプルに書いてあるもので、これがかっこ良かったんだよね。
それが欲しくて欲しくて並んで見たのだが、案の定、そのTシャツは売ってなかった。うーん、残念。
それだけならまだしも、なんとトラヴィスの他Tシャツは売り切れ!正確にはチビTしか残ってなく、それ以外は人気で売切れてしまったとか。
ショーック!俺の二時間はトラヴィスTのために費やしたのに・・・。トラヴィスは人気なのねー。
気をとり直し他のアーティストを探したのだが、次の候補のステレオフォニックスのTシャツは友達が先にGETしており、かぶるのがイヤだったから泣く泣く他を探す。
せっかく2時間ならんで何も買わないなんて骨折り損だという気持ちだったので、(しょうがなく?)エイジアン・ダブ・ファウンデイションのTシャツを購入。
こんなことならイースタユース聴いてりゃ良かった・・・。

そうこうしうしてるうちにお昼の時間になり、苗場食堂で食料を調達にいく。
そこで接客してくれたお姉さんがとってもかわいくて感じがよくて、もう素敵でした。苗場は美人も多くて楽しくてたまらん。
昨日のハードスケジュールと違ってのんびりモードでくつろぎの時間を過ごす。

食事もすまし、グリーン前に戻る。
この時、行われていたのがHothouse Flowersという結構おじさんバンド。
二日目はニールヤングが来る事でオヤジ層がふえるのを見越してか、このバンドを呼んだのだろう。ステージ前も人がまばらだった。
一世代まえのロックって感じで、なごみの時間であった。
それでも知ってる曲が何曲かあり、その人達が有名なアーティストである事を実感。それ以外は何もわからなかったがなごやかなムードのまま終了。
Hothouse Flowersが終わった頃は丁度食事も済ませた昼下がり。
のんびりごろ寝して過ごす。
そうしているうちにグリーン前に続々人が集まる。

そう、次ぎは女性ロックシンガーの大御所パティ・スミスなのだ。彼女が出演するからアラニスもフジロック出演を決めたと言うほどのお方。
フジロック出演が決まってからCDを借りて予習したのだが、なかなか好き系。
そして、満を持してパティ・スミスが登場。大きな歓声が湧き上がる!
パティ・スミスに関する予備知識は乏しいが、彼女がいかに偉大なアーティストであるかはこの反応ですぐにわかるし、何よりも貫禄を感じる。
ジャングルから帰ってきたばかりのような野性的な雰囲気が漂い、その歌う様も異様な迫力がある。これでも女か?と思うほど。
しかし、この時、俺は不覚にも前日の疲れが祟ったのと強い日差しのため、しばしダウン。
パティ・スミスの荒々しい歌を子守唄にするなんて、なんて贅沢。
40分くらいシートの上で眠り、起きて見るとパティ・スミスがステージを降りてファンと握手してるではないか!
おお、すげえ、この人はエンターテイナーだなぁ、裸足になったり、目隠ししてギター弾いたりしてすごい。
それなのに俺は寝てるなんて面目ない。
そう後悔してるうちにライブは大きな歓声とともに幕をとじた。
終了後に満足げに戻っていく人達の顔をみて、パティ・スミスについてもっと準備をするべきだったと後悔。
大物と呼ばれる人達というのは、何かしら偉大な魅力を持っているから大物なのだ。
それに対して、甘い姿勢で望んだ自分に反省。今夜のおおとりにールヤングはしっかり見ようと誓う。

そして次はステレオフォニックス
このサイトのFavoriteのコーナーを見ればわかるが私は彼らが大好きなのだが、実ははまったのはこの時がきっかけなのだ。
それまでは普通に聴いてたがやっぱり生で聴くと余計に好きになるものだ。
この日知り合った親切なおばさん?がステレオフォニックスの熱心なファンでステレオフォニックスのためだけに来たと聞き、いろいろ話を聞いて俺もすごく楽しみにしていたのだ。もちろん俺もモッシュピットに突入。
そしてステレオフォニックスが登場!
ケリー(Vo)って以外にちいせぇ!これがまず最初の印象。
でも、サングラスがすっごく似合っててかっこいいんだな。やっぱりサングラスは似合う奴がつけると本当にかっこいい。
さて、早速始まったが、最初は主に1st、2ndを中心とした曲が続いた。
たしか最初の曲はlocal boy in the photographだったと思うが、やっぱり生で聴くとすごくいい!
まだ、この時点では曲名まではすべてわからない状態だったが曲は知ってるので一緒に歌う。
一曲一曲、ステレオフォニックスの曲に魅了されていく。
特に、ケリーのハスキーボイスが心の芯までしみたのが名曲traffic
この曲が自分の中でのステレオフォニックスの代表曲だ。すこし寂しげで哀愁漂うあたりがたまらない。
そして、3rdの中からで一番嬉しかったのが、Have A Nice Day
「ぱっぱら〜、ぱっぱっぱら〜ら〜…」この曲のこの部分は本当に心が和む。
ステレオフォニックスはアップテンポな曲もいいが、やはりこの曲のような癒し系に限る。
まさにその曲のとおり彼らのおかげで良い一日を過ごすことができた。

ステレオフォニックスが終わると、昨日のUK3連チャンのように人がモッシュピットに詰め寄せてきた。
それもそのはず次は、デビューから瞬く間に一躍世界的なアーティストとなった大物アラニス・モリセットの出番である。
俺にとってアラニスモリセットが二日目最大の目的だったのだため、もちろんトイレも我慢してモッシュピットに残留。
前日、オアシスの際に窒息の危機に陥った事を考えて今回は最初からやや後ろを確保してアラニスの出番を待つ。
俺はこの日を待ちに待ってアラニスのCDすべてを聴きに聴きまくって備えてきたのだ。さあ、来い!気合は十分!すべて受け止めてやる!
と、その時、1stのRight Through Youのイントロが始まった。その瞬間、心が躍りだす!
そして、アラニスが登場!一斉に大歓声がわきおきる!
おお〜、アラニスきれいだぁー!
前日のリアムが神というなら、アラニスは女神とでもいおうか、とても優しげなオーラをもった女性だ。
昼のパティ・スミスの男のような激しい印象が残っていたせいか、余計に女性らしさを感じる。
イントロと同時に登場したアラニスは、早速ありのままに激しく自分を表現しはじめる。
時に、女神のようにやさしく、時に、鬼神のごとく怒り叫ぶ。一瞬たりとも目が離せない。
その表現力は、今まで聴き、見てきたどのアーティストよりも遥かに凌駕していた。これぞまさにアーティストだ。
言葉を超えて彼女の感情が痛い位に伝わってくる。
そして何よりも彼女の歌唱力はずば抜けていた。歌手でも何でもない素人の俺でさえもそれははっきりと言える。
どこまでも透き通っていて、やさしくて・・・。この歌声は苗場中に響き渡ったことだろう。
特に素晴らしかったのが、You Learn。1stアルバムの名バラードだ。
you live you learn you love you learn・・・
まるで獅子舞のように長い髪を振りまわし、心のままに歌ってるアラニス。
涙が込み上げてしょうがなかった。言葉ではあらわせないが、とにかく感動した。あの光景を忘れる事は絶対にないだろう。
アラニスが見せる笑顔に、跳ね回る姿に、きれいな歌声に夢中になった2時間。本当にあっという間だった。
新曲も含めたセットリストで、2回のアンコールに答えてくれ、予定時間を超えてまで歌ってくれたアラニス。
終わった頃には俺はアラニスが好きで好きでしょうがなくなってしまっていた。
ありがとう、アラニス。

心がいっぱいに満たされたところで、次のニールヤングはのんびり見ようということで、モッシュピットを脱出。
ニールヤングなんて名前は知ってはいたものの、曲なんてほとんど知らない。
もちろん、CDは聴いてきたが、それも彼の数ある曲のうち一部にすぎない。
しかし結論からいうと、そんなことは関係なかった。
ニールヤングが登場し、ライブは始まった。
最初は結構、淡々とこなしている印象があったが後半に近づくにつれてヒートアップしていく。
途中、俺が知ってる唯一の曲、HeyHeyMyMy(オアシスがカバーしたからね)が始まった。
うーん、本物はかっこいい。この曲はすごい好き。
しかし、本当にあれがおっさんか!?と疑いたくなるくらいにパワフルで、大物たる所以を見せつけられた。
隣の女の子が言ってた。「あのオヤジ最高やね!」
ほんっとうそのとおりだよ、まったく。こんないかしたオヤジは他にいない!理屈なんてない。ただただすごいのだ。
ギターの弦がブッちぎれても、激しくギター弾いてるし。ギターうならせすぎだし!
結局、3回のアンコール(2回だったかも?)をこなし、大幅に時間を過ぎて終了。
これはファンにとってはたまらないものになったであろう。なにも知らない俺でさえあのパワーには驚かされてばかりだった。

これにて、俺のフジロックのメインイベントは終了。(その後もレッドマーキーとか行ったんだけどね。)
前夜祭を含めた3日間という長いような短いようなこの時間は本当に感動の連続であった。
このときほど音楽が好きでよかったと思えた瞬間は初めてだった。
音楽を通じて、知らない人同士が交流することの楽しさを心のそこから楽しむ事ができた。
このようなイベントを企画してくれたスマッシュさんには本当に感謝感謝。
来年も必ず行ってやると心に誓った一年目のフジロックでした。
(01年10月8日)