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Earl's Court London [Sat 27 Sep 1997] | |
最前列、Noelのほぼ目の前をGET!8時間並び倒しただけの価値はある。「並ぶのはイギリスのナショナルスポーツなんだ。」というふざけた話しを自慢げにされたことがあったが、今は納得。8時間くらいなどと思えるようになったということは、多少イギリス人化したのだろうか。 ホールに入ってからは、さすがにフェンスにもたれて公演スタートを待った。いつものようにThe Verveが登場、いい感じでOasisを待った。 今日はいきなり観客が荒れていた。すっごい勢いで後ろから人が波打ってくる。フェンスにつかまっていたが、はさまれて何がなんだか分からないまま、それでもBe Here Nowを叫びつつ、ほとんどもがいていた。続くStay Youngもみんな飛ばしていた。目の前のフェンスとステージの間にはセキュリティとフォトグラファーがいたのだが、 そこに大きなタンク(とでも言うのだろうか)と紙コップの山があって圧死しそうな中、差し出される手にセキュリティが水を手渡していた。すぐにそんな非常事態はおさまったのだが、気分が悪くなった人やダイブした人が後ろのほうから運ばれてきて、何人も頭の上を通過して前に引きずり出されていった。 NoelがMagic pieを歌い終ったあと、会場はどういうわけか、そのまま静まりかえってた。何の音もしないEarl's Court。Noelが「拍手ももらえないのか?」というようなことを言って、その後、大拍手になった。こんなこと初めてだ。拍手のタイミングを全員が失うなんてことがあるのだろうか?そういう私もNoelをただただ見つめていただけだった。 赤いレーザーペンを持ちこんでいたオオバカ野郎がいた為、Liamのご機嫌を害す…。「Oi! Luke Skywalker! If you don't switch it off, I'm coming in there, cut you from head to toe !」(おい!ルーク・スカイウォーカー!電源を切らないんなら、おれがそこまで行って頭からつま先までぶったぎってやるぜ!)というような発言が曲の合い間に何度もあった。 そういえばステージ準備中の時から、ステージ上からかかっている幕に、赤いレーザーペンの軌跡が2つ動いていた。Noelも同じく機嫌を害している様子で、全く迷惑だ。 Fade In-Outの途中で、ふと我に返った。スクリーンに映し出されるセピア色の映像をを見ているうちに、もしかしたらこの3日間が、明日も、あさっても、永遠に繰り返し続くのではという錯覚に、一瞬、襲われた。目を上げると、そこにはLiamが歌っていた。随分声がかすれていることに、その時気づいた。 AcquiesceではNoelの目の前ということもあって、Noelのパートになると、周りの人がいっせいにNoelに向かって手を挙げて、一緒に大声で歌っていた。最期にLiamがステージから降りてきて、まさに目の前をタンバリンを振りながらゆっくりとこっちに歩いてきた。髪の毛はぐっしょりと濡れていて、真っ白いスエットは絞ると汗がしたたりそうだった。そしてまさに目の前、手を伸ばして15cm先をゆったりとLiamが通過して行った。 ずっと目をそらせなかった。それからちょっと歩いたところで、観客の女の子にタンバリンを渡し、彼女の手をつかんでタンバリンをしっかりと握らせていた。 帰り際にフロアを振り返ってみると、プラスチックのビールのカップが床一面に散らばっていた。 The Verve | |
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