1999.11.24(WED.)
南青山マンダラ

another green world

松本圭司(Pf,Key)
竹下欣伸(B)
則竹裕之(Ds)
大石憲一郎(Manupilator)


M-1.Belfast Song
M-2.Snow Flakes(yoshinobu takeshita)
M-3.KBT
M-4.Speechless
M-5.Sport in Peking
M-6.the Ring
M-7.Homage to Stan
M-8.Soul in Seoul
M-9.Circles
M-10.Yuh-Ja(hiroyuki noritake)
M-11.a Day in Green
E-1.Taking Me Back

本さんのプレイの中でもエレピとか野音のような生ピアノとかのプレイが好きだなぁ…と思っていた私にとって、今回は期待大!でした。
会場に入って、まず目に入ったのはターンテーブル(側には小さなカエルが鎮座(笑))。これは、結構踊れるような、ドンツクした音になるのかな?と思ったのですが、そうでもありませんでした(そういうアレンジもありましたが)。

ずは、M1〜2を演奏し、M3へ続くループを流しつつ、一言挨拶、そのままM5まで続きます。「Belfast Song」、このライブの中ではわりとPOPな感じで、則竹さんのドラムに、打ちこみの固い音やスクラッチの音が入ってきてアンサンブル状態になるのも面白い。私は曲全体の感じは、この曲が一番好きですね〜。竹下さんの「Snow Flaks」はゆったりしたテンポにロマンチックなメロディで、ベースとピアノの甘いムードを、ループの固い音でちょっと押えられて、大人な感じです。うーん、きれい(^^)
前の曲とは一転して「KBT」(ってなんじゃ?)でテンポアップ。タタタッと軽やかなスネアの上をピアノが駆けます。暗転するようなサンプラーの音から始まった「Speechless」(なのに、ずっとサンプラーで声が含まれているのはこれいかに?)スローでムーディーな曲。「Sport in Peking」はアコピだけでなく途中シンセのピコピコした音色を使ったりして、カラフルで耳に残るメロディです。こう聴いていると、曲の並び方にリズムがあって、聴きやすい感じがします(^^)

ッドベースにドラムはブラシで、JAZZYな「The Ring」は、Ring=結婚指輪のことで、松本さんの周りが結婚ラッシュだということで、「みんな幸せになってねという気持ちを含めて…」と言ってましたが、私だったら、指輪のかわりにこんな曲を贈られたら嬉しいなぁ、なんて(^^)。それにしても、すごくセクシーな曲ではありませんでしたか?ことに、松本さんのピアノと竹下さんのベースは、めちゃめちゃ色気がありました。
甘い曲の次はサンプラーのひっかかるような音がちょっとビターなボサノバの「Homage to Stan」「Soul in Seoul」は、疾走感のある感じで、則竹さんがブラスティックでスネアを16分系で叩くカサカサした音色がとても心地よかったです。(スクェアの韓国公演の時に泊まったホテルのバーでいい感じで飲んでいた時のことを曲にしたとのこと。そんなに早いピッチで激しく飲んだんですか?と突っ込みたくなるような…(^^;)

れは難しいと前振りのあった「Circles」。6/8で3人ががつんとぶつかり合い、則竹さんのドラムもちょっと激しさを見せます。 M10に入ると、サンプラーのキュンキュンした音とハウスっぽいループドラム。イントロのスティールドラムのパターンが出てくるまで「勇者」だとは思いませんでした。サビの部分だけを使っていて、今年の野音のようなアコースティックな雰囲気でしたが、曲全体は対照的なダンス系サウンドになっていて、原曲とはまた違うかっこよさになっていました。(掲示板には「野音の勇者」と書いてしまいましたが、「野音のをもっと発展させた勇者」というのが正しいですね)ラストは「a Day in Green」(笑)。心地よいリズムの上をピアノが自由に自由に歌います。いやー、弾いてる松本さんも気持ちよさそうですが、聴いてるほうも気持ちいい〜!
アンコールはトリオで、これまたいい感じな「Taking Me Back」。最後は4人がステージ前方に一列に並んでおじぎをして締めました。(おじぎをすると最前列のお客さんにぶつかりそうな近さ(^^;)

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本さんの曲を聴くのは初めてだったのですが、とてもきれいな雰囲気で、全体に渋い!それに、どの曲も、どこか高揚感のあるフレーズが出てくるので、いい気持ちで聴いていると時々「はっ」とさせられます。どの曲もすごく好きな感じで、もっと色んな曲を聴きたくなっちゃいました。ループやサンプラーでクラブ系サウンドがありつつ、トリオでアコースティックな曲も多かったので、聴きやすかったです。
よく考えると、上に挙げた曲以外も、全体にどこか色気のある曲だったような…。松本さんのプレイがそう思わせる感じだったのでしょうか。曲順も、ライブ全体の流れが途切れない、するするっと聴けてしまう感じ、しかも甘さと渋さがバランスよく入ってくるので、後味がいいんです。
そして、松本さんが解き放つように弾くピアノは、期待以上でした(^^)
とても気持ち良かった〜!お酒がすすんでしまいました。

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この日のドラムは、2台目のTAMAで、ほとんど3点セットのような感じ。タムタム1つ、フロアタム1つ、バスドラムは通常2つセットしているうちの小さい方のみセット。ブラシを使う曲が多かったこともあって、ジャズぽいなーと単純に思ってしまいました。
スネアはいつものように2つあったし、シンバル類も右にライドを含めて3枚、左に1枚、タムタムのそばにスプラッシュという、普段と大きく変化はない感じで、一見、某ライブで「赤裸々なセット」と言っていたほどではないなと思いましたが、実際に則竹さんが座ってみると、たしかに、いつもより足元がはっきり見えてしまうセットです。スネアの音色が、いつもの「タン」と抜ける音ではなく、皮を緩めたジャラっとした音色だったのがとても印象的でした。
T-Sでも(タイプは違うとはいえ)打ち込みと一緒に叩くことはありますが、マニピュレーターが入ったライブで叩く則竹さんは初めて見たので、いつもとはだいぶ違ったドラミングを聴けました。全体の雰囲気を大切に感じながら叩く様子が伺えるように思えました。惜しかったのは、サンプラーの音を流していたスピーカーがちょうど頭の上にあったので、私の位置では音のバランスが悪くなってしまうことがあったことでしょうか(座った位置によっては、あまり気にならなかったかもしれません)。

(kozue)


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