1999.2.20(Sat.)(吉祥寺Star Pine's Cafe)

SECRET BOOK SECOND LIVE

宮城純子(Key),則竹裕之(Ds),樋沢達彦(B),落合徹也(Vn),小川美潮(Vo)


1.Shuttle Perfume
2.Vase(standing on the head)
3.Praise
4.夢が眠る場所
5.パンドラの箱
6.SA-GA
7.記憶の扉
8.冬春夏秋
9.風花
10.Ancient Song
En.Blues

 Star Pine's Cafeで行われたこのバンドの第2回ライブに行ってきました。
12月1日に行われた第1回は全曲宮城さんの書き下ろしで初演だったのでかなり緊張感がありましたが、それにくらべると、ぐっと「なじんだ」雰囲気。
 いきなりヴァイオリンの落合さんが坊主頭になっているのでビックリ。それ以外の大きな変化は、1曲新曲が加わり、前回はアンコールがなかったのが今回は曲が押し出しになる形でアンコールがあった、といったところでしょうか。

 はじまってから3曲は、楽器奏者4人によるインスト。ヴァイオリンとピアノで旋律をかわるがわる担当します。宮城さんはピアノとエレピを曲によって使い分けていました。樋沢さんは終始、長方形のアコースティックベース。落合さんは全編通してほとんどヴァイオリンの音色には変化をつけずそのまま使っていました。

 宮城さんはこのバンドでモードの手法を使っていて、いわゆるコードを使わない曲作りをしているらしい。そのせいか、フワーッと海中を漂うようなサウンド。 それぞれに印象的だし、メロディーや起承転結もきっちりしているのですが、どこかこう、全体がゆらゆら・・・とした感じ。3曲目はアコースティックピアノの音色を生かしたワルツで、一瞬ビル・エバンスみたいな感じがしました。その後ジャズというよりフュージョンの展開になりましたけど。この曲で各人がソロ回しをしていたのは、聴き応えありました。

 4曲目からはヴォーカルの小川美潮さんが登場。彼女の声はナチュラルな印象なんだけどじっくり聴かせてくるというタイプです。歌詞もわかりやすい日本語で、ちょっと文学的・・・・? 詩的? いわゆる歌謡曲なんかとはまったく違った雰囲気でした。

 則竹さんはブラシのプレイが多く、スティックを使っていたのは2曲ぐらいでした。スネアの上にブラシを押しつけてゆっくりと円を描くプレイ・・・・しょっちゅうやっていることなのかもしれませんが、なんだかまじまじと見てしまいました(笑)。 b

 本編ラストの「Ancient Songs」という曲は、わりとパキッとしたリズムにロマンティックなメロディーを載せた曲調で、その合間に美潮さんが「春はあけぼの・・・」など、古典を朗読するという面白い構成。アンコールのブルースは、華やかで楽しい雰囲気、アップテンポの4ビート。歌詞がないスキャットによるヴォーカルが、変幻自在に変化していてすごく魅力的でした。

 某Vレコードによるライブ録音も行われていたようです。フュージョンっぽいんだけど、アコースティック、ギターレス、ヴォーカル入り、しかもそのヴォーカルがソウル系じゃなくて美潮さんっていうのが個性を決定づけています。
 メロディアスで耳が痛くならない音量、即興もあれば緻密なアンサンブルもあって、聴き応えがあるし、スタイルに新しさがある。宮城純子さん入魂のプロジェクトだけあって、斬新なバンドです。

(美芽)


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