音楽ネタ

テルミン



2001年に日本でも映画が公開されて、音楽マニアにはすっかりお馴染みになった感のあるテルミンについて。

皆さんにとって一番馴染み深いのは、やはりビーチ・ボーイズの“グッド・ヴァイブレイション”か、コーネリアス辺りかと思いますが、僕の場合はやはりレッド・ツェッペリンの“胸いっぱいの愛を”ですね。まあ、正確に言うと生まれて初めて耳にしたのは、小学生の頃シングルを買った西城秀樹の“激しい恋”のイントロに出てくるピュ―ピュ―サウンドということになるんですけどね。

もっとも“胸いっぱいの愛を”にしても、スタジオ・ヴァージョンのテルミンの音は、ギターのエフェクターとか、ボトルネックをピックアップ近くまで持ってきて鳴らしてるんだとずっと思ってたし、レッド・ツェッペリンの映画「狂熱のライヴ」でテルミンを鳴らしてるシーンも、見たときにあれはワイアレスアンプのアンテナで、ああいう風に近づくとああいう風なノイズが出てしまうもんなんだと思ってましたね。ギターにシールドがついてることも確認しようとも思わなかったしね(ついてるんでしょ?)。あれが単体の楽器であることも、あれを元にしてムーグがシンセサイザーを作った事も、とてもじゃないけど信じられませんでした。

本物のテルミンを見聞したのは2001年10月10日@電気文化会館。
その時のテルミンはホルンの音に似てて、高音部になるにつれて女声に似てくるといった感じでした。高音部になるにつれて、つまり縦のアンテナに近づくにつれて、指を伸ばしていました。曲の初めにチューニングをやってたんですがはっきり言ってどういう風に音を合わせていたかについては判りませんでした。チューニングの際の低音部がモーターが動いてるような音だったし。
その時のテルミン奏者・竹内正実さんのCDには東欧かどこかのミュージックソウ(要するにノコギリ)の奏者との共演している曲があるんですが、ライヴではサイドテルミンの奏者が実は元々ノコギリ奏者で、そのCD収録曲を演奏してました。バイオリン風の弓で弾いていましたが、やはり横山ホットブラザーズを思い出してしまいました(笑)。ちなみにサイドテルミンの方がツェッペリンのピュ―ピュ―サウンドに近かったです。
アンコールではマトリョーシカ型のテルミンも登場してました。小耳に挟んだところだと、頭のところにアルミ箔みたいなのが付いててそれがアンテナ代わりになってるんだそうです。結構楽しいコンサートでしたね。但し終演後にサイン会があったんだけど、かなり並んでたのでこのときはCDも買わずに帰りました。

それで、その勢いで映画「テルミン」にも観に行ってきたんですが、テルミン開発のきっかけはやはりラジオから出た雑音なんだそうです。映画館に置いてあったエフェクターにアンテナをつけたようなテルミンの音なんか正にラジオをチューニングしてる音そのものでしたし。ラジオが原理なら電気音楽であっても電子音楽ではないような気もするけど、ただクララ・ロックモアの演奏してたテルミンは弓弾き楽器と女声を合わせたようなきれいな音でした。ちなみに映画にはビーチボーイズしか出てこなかったけど、一緒に置いてあった竹内正実さんの著書にはビーチボーイズのこともコーネリアスのこともレッドツェッペリンのことも載ってました。

それで実を言うと竹内正実さんの演奏を2002年5月6日にも観てるんですよね、
豊橋の楽器店で。GWの東京での「静養」を1日早く切り上げてまで、これを観に行きました。。
30分しかなかったけど、ただで、しかも間近で観れて良かったです。ただし、この日のために会場を広げたという事もなかったせいか、客は20人ぐらい(3時からの2回目)だったかな?
蝿とか蝶も飛んでいたんですが、本人曰く「蝿ならともかく、蝶ぐらいの面積を持ったものが半径1.5m以内に来るとピッチが狂いますねえ。」と言っておりました。

電気文化会館のときに買いそびれたCDを、この時は一番に買って(他の客のリアクションが遅かったんだけど)、余白のところにサインも頂きました。7月から豊橋で行われる講座は12人中6人の空きがまだあるとライヴで行ってましたが、ライヴ後にまた、少なくとも一つは埋まってしまったそうです。


         

HOME