やらずぶったくり INTERVIEW (1998年11月発行oo5号に掲載)

大阪の闇ルートでは、密かに大注目を集めているバンド。
別に過激なパフォーマンスがあるわけではない。
メンバーの外見や雰囲気はいたって普通の青年にみえる。
特筆すべきは彼らの投げかける言葉だ。
わたし自身ここ数年、言葉による衝撃をロックに求めることには正直言ってあきらめかけていた。
あったとしてもそれは歌詞カードを通して読むものでしかなかった。
しかしやらずぶったくりは違う。
ヴォーカルは詩の朗読であったり、または短い言葉をリズムにのせていくというスタイル。
それを最大限に生かしたバックの演奏はフリージャズっぽくもあり、
映画音楽のようでもあり、
またある時はCRASSの"REALITY ASYLUM"や"PENIS ENVY"あたりの曲にも通じる
パンクノイズ的な一面も感じさせる。
ヴォーカルの北岡の独特の言語感覚による歌詞はどこか人権作文のようでもあり、
世の中の歪み、差別構造、人の心の醜さ、矛盾などをプリミティブに綴っていく。
これは先鋭的なメッセージソングか、プロテストか?。
あるいはその社会を否定も肯定もしていないのかもしれない。
それとも単純に詩的なものなのかもしれない。
いずれにせよ今、言葉でこのような衝撃を与える数少ないバンドであることは確かだ。

●結成、初ライブはいつ?
1996年9月。初ライブは豊中市ジャズフェスティバル。演奏中付近のクレームにより途中で終わらされる。

●メンバーは?
北岡英樹 (Vo, G, Syn)、岸明良 (B)、藤浦康雄 (Dr)、西山慶光 (G)

●活動状況は?
2カ月に1〜2回のペースで主になんばBEARSで。

●結成のいきさつは?
Vo.の北岡の呼びかけ、チラシでメンバーが集まり、1997年8月より、Vo.とB.の美術専門学校の同級生西山がギターで参加、4人編成となる。

●入手可能な音源は?
JAPANOVERSEASより発売予定のBEARSコンピレーションに1曲参加。今年の秋頃ファーストアルバムをOZdiscより発売予定。

●歌詞を前面に打ち出した演奏形態になったのはいつ頃か?
最初から。前面に打ち出すつもりはないが勝手にでてくる。

●好きなミュージシャンは?(全員に)
細野晴臣、ヴァンダイクパークス、エアロスミス、ラモーンズ、ローリングストーンズ等。

●曲は何曲ぐらいありますか。
1stでは15曲ほど予定しています。20曲ぐらいは作っていると思います。(形になっているもので)

●作曲はどうやってやるのか?
ヴォーカル北岡が作曲・詞をすべて担当。いろいろな手法はありますが、例えば台風が集団で原爆ドームに上陸するイメージがあったとして、それにシンクロするメロディーなり音色なりを詞をつくっている期間に思い浮かべ、具体的にメンバーに伝える。絵(イメージ)が先にくる。

●好きな作家はいますか?
たくさんいます。思いつくまま上げますと、中原中也、井伏鱒二、中上健二、中島らも、内田春菊、ドストエフスキー、杉浦茂、藤子不二雄両氏、手塚治虫、竹久夢二、鈴木清順、マーチン・スコセッシ、北野武、松本雄吉、白洲正子、等。

●援助交際についてどう思いますか?
自分には全く無関係です。ただ一番安く体を売った人は何円やったかは知りたいです。

●あなたは差別者ですか?
差別されたり、差別したりしてきたと思います。だから差別者です。

●あなたの住んでいるところはどんな所ですか?
今は大阪市内のマンションの4階、その前は守口市の下宿。実家は和歌山県御坊市の平屋。

●新聞は読みますか?。何新聞ですか?
読みません。たまに釣り新聞なら読みます。

●最近気になるニュースは何ですか?
やらずぶったくりの1stCD制作。

●大阪のよいところと悪いところを挙げてください。
どちらとも言えません。一つのものに言い悪いの価値をつけると正確にものが見えません。

●最近一番腹が立ったことは?
あまりありません。たぶん僕はアホやと思います。

●肉食についてどう思いますか?
食欲のない時は食べようとは思いません。お腹のすいてる時、肉は食べます。おいしいと思います。
 

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