GAJI INTERVIEW (1999年8月発行oo6号に掲載)

●メンバーは?
長谷川:長谷川(vo.)、君島(g)、田口(dr)、鳥井(ba)です。鳥井君は2月にメンバーになったばかり。

●結成、初ライヴはいつ? どこで
長谷川:1992年。たぶん20000V。まともに活動し始めたのは君島が入ってから。

●全員オリジナルメンバーですか?
長谷川:長谷川だけです。

●なぜGajiと名付けたのですか?
長谷川:怪獣みたいな名前にしたいなと思って。動物の名前っぽいでしょ? ねことか。

●主な活動場所は? 月何回ぐらい?
長谷川:都内で...高円寺が多いです。ライブは月1〜2回位。
去年の11月〜1月はレコーディングやってたのとベースもちゃんと決まっていなかったのとで
ライブはやってませんでした。

●東京での活動について知りたいので、最近対バンしたバンドを思いつくままあげてください。
長谷川:Atomic Fire Ball, Kirihito, NAHT, Bucket-T, ONOFF, SOH Band, Leningrad Blues Machine,
Harpy, UG Man, Coaltar of the deepers, GNU, かかし...

●3月の姫路と大阪のライヴのエピソードをきかせてください。
長谷川:君島が絶不調で...。
鳥井:体調不良ではないですか?
君島:そう、ちゃんと演奏はしたから・・・頭痛がひどくて・・・死ぬかと思った。ホントに。

●そこまでひどかったとは、知りませんでした。翌日のライヴでそれを感じさせないとはえらい!
長谷川:セッティングのときにステージで真っ青な顔していたので、ちょっと心配だったのですが、
本人は「全然大丈夫」と言ってました。
君島:マッシュルームのときはちょっときつかったけど、
ファンダンゴのときは救急病院で出してもらった痛み止めが効いてたので、
ファンダンゴのほうは頭痛はなかったです。それもこれも座薬のおかげです。おもに。
姫路で明け方にどうしても寝ていられなくて、救急車を呼んでもらった。
いっしょにまわったJesus Feverのみなさんには命を助けられました。
特にチャイナには。もう京都の方角には足を向けて寝られません。
田口:チャイナと楽しく飲んでたら微かにドアを叩く音が...。
開けてみたらそこにはグッタリ、マッ青な顔をした君島さんがいました。
それからはいろいろ大騒動で.....。午前4時頃あんなに走り回ったのは初めてです。
鳥井:そのとき、男性はみな寝てました。
長谷川:田口はほとんど眠れなかったみたい。
私は次の日大阪ですごく疲れていたのでまむしドリンクを飲んでしまいました。
姫路のマッシュルームって上がホテルになっているでしょ....。
それで男性組と女性組に分れて2部屋とった。
うっちー(Music start against young assult)はゴネたけど...。

●なぜ、うっちーさんはごねたのですか?
長谷川:あの時、男女で分れようという風になったら、
うっちーさん「ええ〜っっっ!!!なんで〜っっ??」というような反応をして。
バンドで分れるというのも考えられたからなあ。ちなみにうっちーはJesusに同行してきたの。
でも男女で分れるのを喜んでいたのは女性陣だけだったかも....?
君島:いや、うっちーは入り乱れたかったんじゃないですか?ってのは冗談ですが、さびしそーでしたね。
みんなでもっと飲みたかったんでしょう。
まあともかく、それでぼくはもうだめだ、あしたファンダンゴで演奏なんてできないだろうな、
ってかんじだったんだけど、JESUS FEVERはライブやらなきゃだから、
ガジのメンバーだけ起こそうと思って....。それで女性組の部屋に行ったんだけど、
....おかざわくんとかうっちーにはのちのちまで責められた。水くさいって。
この場をかりてもういちどゴメン。
長谷川:ライブ自体はとても楽しかったです。マッシュルームもファンダンゴも、
...一緒にやったバンドもとても良かったし。マッシュルームでは怖と JESUS FEVER と"e"。
ファンダンゴではCOMMUNICATION BRAIN BUSTER, SPARROW'S SCOOTER, JESUS FEVERと
一緒にやりました。
君島:ファンダンゴのJESUS FEVER はスゴークよかったなあ。今年のベストライブ。
田口:私もそう思います。
鳥井:個人的にはGAJIに入って初ライブで、すごくexcitingなライブでした。
長谷川:そう、鳥井君これが初ライブだったんです。

●98〜99年はどんなリリースがありましたか?
長谷川:98年はTechnoiseとのスプリットシングルだけ。あとリリースではありません
が、フランスのMUSEAという出版社発行の"90s Japanese Independent Music"という本につく
サンプルcdに一曲入ってます。
君島:去年はそれだけだけど、今年はアルバムも出るし、たくさん出しますよ、シングルとか。

●1stEPのジャケットの紙質が印象的だったのですが、なぜああなったのですか?
君島:ああ、あれは...。壁紙ジャケットと言われてますが....ホントは壁紙じゃないんだけど。
一枚一枚手作りにしたくて。プレスは500枚だったんだけど、もうたいへんでした。
....うーん、なぜっていうと....なんでかな......根がノイズだからかなー?
長谷川:部屋中ジャケットだらけになりました。

●2ndシングルは、なぜTechnoiseとのSplitになったのですか?
長谷川:確か井手さん(ZKrecords)が紹介してくれて。

●キミジマさんはオランダに行ったそうですが、印象に残ったことは?
君島:あ、ぼくひとりで行ったんじゃなくて....ユウコさんもいっしょでした。
アムスにぼくの幼なじみが住んでて、彼と三人で別なバンドをやってて、
それのレコーディングとライブに。で、むこうでAUBEのライブを見に行ったら、
TECHNOISEをやってるRADBOUDっていうにいちゃんと偶然会って。
ガジやってるんだよっていったら、ビックリしてた。「NO WAY!」だって。
ほかは...まあ場所が場所だし、おもしろかった。

●テクノは好きですか? もしそうなら何テクノ?
君島:うん。ミニマルが好きだったなあ、ちょっと前は。SURGEONとか。
こないだ....JESUSのオカザワくんとノンちゃんとMEGOを見に行ったけど、あれは良かった。
石野卓球のBERLIN TRAXもよかった。あんまりテクノのジャンルって知らないんだけど.......。
好きなものは好き。
鳥井:あまり、聞いてないのでわかりません。
友達にテクノのカセットテープを作ってもらったことはあります。
長谷川:私もあまりよく知りませんが、ダフトパンクのビデオがおもしろかった。
でもダフト...はハウスといわれているそうですね。
田口:あまり魅力的でないと感じることが多いです。

●古いNWは好きですか? たとえばGANG OF FOUR, XTCやNO NEW YORKの中のバンド等はどうですか?
長谷川:GANG OF FOUR, XTC...あまりきいてません。NO NEW YORK はききましたが......。
PILとかPOP GROUP好きです。
君島:GANG OF FOURってきいたことないなあ......。XTCはかっこいいね。新譜もよかった。
NO NEW YORKは一回聴いたけど.....。ARTO LINDSAYの最近のソロは大好き。
もろブラジルっていうのが。来日公演も欠かさず2回ずつは行ったし。
ブラジルのポップミュージックはサイコーですね。POP GROUPは最近聴いた。かっこよかった。
田口:好きです。特にPIL。
鳥井:GANG OF FOUR,  XTC 大好きですねー。NO NEW YORK, PIL, POP GROUP  大好きですねー。
SEX PISTOLSも大好きですねー。クラス、ペルウブ、ジョイディヴィジョン等々。
NWと呼ぶ意味は分かりませんが、好きでした。明るいアンダーグラウンドが好きです。

●好きなギタリストは?(これは君島氏への質問でしたが、全員が答えくれました)
長谷川:私はスティーブ・アルビニ、アート・リンゼイ、キース・レビン、オカザワ(Jesus fever)くん。
鳥井:ぼくも、スティーブ・アルビニ、アート・リンゼイ、君島さんと、
kirihitoのけんさんのギターが好きです。福岡の人間というバンドの松岡さんというギタリストと、
突然ダンボールの蔦木俊二くんは僕のギターヒーローです。
君島:けんちゃんはいいねー。君島さん.....試行錯誤中です。アルビニさんもシェラックだけは好き。
好きなギタリスト.....うーん、やっぱり、エディ.ヴァン.ヘイレン。「1984」の頃の。
あとは.....ブラジルもので、ジルベルト・ジル。僕はギター弾いてるくせにギターに耳がいかないんです。
ドラムとか、パーカッションとか、打楽器ばっかり聴いちゃう。
田口:パコ・デ・ルシア

●ドラムの音にもエフェクターを使っていますか?
君島:いや、使ってません。ドラムは.....生楽器だから、生音がだいじ。といっても、
録音はフィクションじゃないとダメだと思うけど....。
田口:確かに録音は別ですが、基本的に生でいい音が出ていればあまり使いたくないかなー。

●他のどのバンドにもない音のすき間を表現していると思うのですが、
そんなメンバーに会えてハッピーですか?
長谷川:ハッピーです。
君島:そっすね。
田口:他にいないですね。
鳥井:そうですね。ハッピーでグレートで、It's okay という感じです。

●キミジマさんが元MELT BANANAの須藤さんとやっているバンド、サーモは最近どうですか?
君島:こんど、7月末にINOXIAというレーベルからアルバムを出します。INOXIAってSOFTとか
灰野敬二+BORISとか出してたレーベル。良いものになるでしょう。うん。
あと、宣伝しちゃいますけど、今年はソロもリリースする予定です。お楽しみに、
というかぼくがいちばん楽しみ。

●GAJIの今後の予定は?
長谷川:7月21日にアルバムが出ます。そのあと9月くらいに関西ツアーに行く予定。ライブの予定は、
全部東京ですが、右記参照してください。
君島:シングルも出しましょう。新メンバーでガンガン曲作ってバンバン出しましょう。
鳥井:やりまくりましょう。
田口:はい。
 

〜 インタビュー番外編 〜

●ニューアルバム『focus|fluid|daub』にはすでに発表された曲のリメイクが何曲か入っているのですか。
長谷川:『Hungry children』(2曲目)と『Man in falce habitat』(3曲目) 以外は、
みな厳密に言えばリメイクになります。
今回のフルアルバムは、ファースト以降の曲をまとめたものになってまして、
1stシングルから『Calx』これは録音し直しました。曲の構成上の違いはないのですが、
個々のアレンジが、結構変わったと思います。96年に出したミニアルバム("gaji"ーZKrecords)からは
6曲中5曲が入ってます。その内、一から録り直した曲は『Fitful baits』『Eleven maladies』の2曲。
ギターなど録り直しをしたり、ボーカルをかぶせたりしてアレンジを変えてミックスし直した曲が、
『Hoop loop』『QBQF』『Hitch』の3曲です。
『QBQF』はもともとのタイトルが『quick-buck,quick-fix』でしたが、今回変えました。
『Hitch』もミニアルバムでのタイトルは『Hitch it, twitch』というタイトルでしたが、
これも変えました。あと97年にTECHNOISE とのスプリットシングルの曲『Hatchet jagg』。
これも録音からやり直しました。
『Blood mobile』はゴッドマウンテンのコンピレーションに使った曲ですが、
今回録り直してアルバムに入れました。これらの曲に新しく
『Hungry children』『Man in falce habitat』を加えた構成になっています。
今回は『Hoop loop』『QBQF』『Hitch』の3曲を除いて、マイク立てて録音する段階から、
全部自分達でやりました。16トラックのオープンリールを使いました。
上記の3曲はミニアルバムの音源にギターを録り直し、ボーカルを加えたりして、
ミックスは全曲自分達でやりました。エンジニアはすべて君島がこなしました。
初めてだったので、非常に時間がかかりました。

●Hachet jagg』『Eleven maladies』他、すべての曲にいえますが、
ヴォーカルの乗せ方がすごいと思います。歌詞はライムになってたりしてますが、
どういうことをいっているのですか? 観念的なものですか? 物語になってたりするのですか?
メッセージは? 『Hungry children』とかメッセージっぽいタイトルですが。
『QBQF』とはどういう意味?
長谷川:歌詞のことは一概に言えないのですが、観念的なところもあるかもしれません。
具体的なことは何も言ってないです。場面の描写っぽいところが多いです。
でもストーリー性はほとんどないです。どちらかというと、曲にどうのるかが一番気にしてることなので。
のり方とか、聞こえ方とか。他の楽器とのからみとか(どういう響きの言葉を使うかとか)
メッセージもありません(なくもないかな)。
『Hungry children』とは貪欲な子供たちと言う意味でつけました。
飢餓にある子供のことではありません。
大人がいないところで好きほうだいする子供たちのことを言ってます。
『QBQF』は先にちょっと触れましたが、元もとは『quick-buck,quick-fix』というタイトルでした。
歌詞の中に出てくる言葉なのでタイトルにしてたのですが、
曲全体を表わしてる感じでもないので変えてしまいました。
意味はquick-buck=あぶく銭、quick-fix=応急処置、
で、歌詞ではゲームをやってる場面がずっと続くのですが、でも負けちゃうの。そんな内容です。
 
 

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