一バンド目のCAVOをみたかったのだが、バイトで遅れたために見逃した。CAVOは大阪のバンドで、東南アジアあたりの原始宗教または日本の能楽を彷彿させるような呪術的でオリジナリティー溢れるスラッジコアバンドだ。今回のみ鐵男のベースが入って「フワーッとした感じで、でも狂ってた」らしい。見たかった。
HOSPITAL。長身、長髪、メガネのおとなしそうな若い白人が「ホスピタルデス。カナダカラキマシタ。」とあいさつ。次の瞬間スピーカーが悲鳴をあげるようなノイズが飛び出した。床にしゃがみこみエフェクターを並べてノイズをだす白人青年2人。東洋人のサックスプレーヤー1人。音はアンプのフィードバック、ラジオノイズ、ヴォイス、ギター、サックス、サンプラー等、あの手この手でノイズをだしまくる。真ん中の長身メガネはギターを持っているが、その弾き方はピックのかわりに何か大きな物体をわしづかみにしてピックアップに押し付けている。 左の金髪のオタク少年もマイクに叫びながらエフェクターのツマミをいじくっている。サックスの人はフリージャズ風でなかなかうまいし、3人の音の間や構成力はさすが日本に来るほどの奴らだと感じさせるものがあった。が、しかしそんなことより興味深かったのは、彼らのだすノイズが最近日本ではほとんどみなくなった初期衝動的なピュアノイズ、おまけにアクション付であったことだ。寝っころがったりアンプに頭突っ込んだり、キチガイ風パフォーマンスをやっとります〜って感じが伝わってくる。そこには音響ブームもへったくれもなく、初動的な形態を保ちながら突化していったノイズの姿があった。最近大阪のライヴハウスでノイズをみることがあまりなくなった。たまにクラブ等で学生がやってるオールナイトイベントで無名な奴がやっていたりするぐらい。この日の客は20歳前後の若い人達が多かったのだが、HOSPITALがはじまった瞬間それを取り囲む人垣ができた。外人がノイズやるのが珍しいのかノイズ自体が珍しいのか。逆にこの日少しいた25歳過ぎのノイズブーム経験者世代の反応は意外に辛口だった。彼らはノイズ自体もういいと思っているのか。それとも単にHOSPITALには何かが欠けていると思ったのか。俺はノイズのテクニックはわからないが、HOSPITALはスキが多いとはいえ結構いけてたし、単純にああいう轟音やキチガイじみたアクションが大好きなので気持ち良かった。それだけ。
次のSt. Crustaceanもオーストラリアのノイズ。弱っちい服を着た細長い手足の男が、机の上にエフェクター(いかにもだね)を並べて、つまみをいじくりながら身体をくねらせていた。いろんな音のマテリアルをまぜこぜにした音は結構いいのだが、ステージングの退屈さがそれを半減させていた。ま、そういうものなのだろう。
海外のノイズパフォーマンスでなんともいえない気分になった後、本日の企画者であるEPIDEMIC CAUSEの登場。メンバーはギター、ベース、ヴォーカルの3人。インダストリアルという感じでもないがドラムは打ち込み。鋼鉄のようなビート。ベースの重いリフを中心に、単調と言ってもいいぐらい執拗に攻めてくる。上半身裸になった細身のヴォーカリストのはちきれそうな筋肉が何か恐ろしかった。
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